相手とコミュニケーションする時、「何かの様子を説明する」シーンがあると思います。
代表的なケースが、ビジネスの場面でしょう。
「では、わが社の製品の特長について、説明します。」
「お客様に最適なプランについて、説明いたします。」
などなど。
あるいは、もっとカジュアルな日常の場面でも、
「(待ち合わせに遅れたことについて、)理由を説明するよ。」
「今から、このゲームのルールについて説明します!」
などのように言うこともありますよね。
物事について説明する時は、「今から~について説明します。」という前置きを言うのがごく自然ですが、どう言ったらよいか、わかりますか?
今回は、「説明する」という意味の英語表現と、実際にどんな場面でどの表現を使ったらよいか、を、例文と共に紹介します。
explain = 説明する
日本語の「説明する」にあてはまる英単語と言えば、多くの人が思い浮かべるのが、explain という英単語だと思います。
explain は、「相手がよくわかるように、様子を説明したり、情報を与える」こと。
まさに「説明する」に当たる動詞です。
主な使い方は以下のとおりです。詳しくは辞書をチェックしてくださいね。
explain something
何かを(について)説明する。
explain what/when/who/where/why/how …
何が・いつ・誰が・どこで・なぜ・どのように ~なのかを説明する。
explain (that) ~
~ということを説明する。
例文)
I can explain the rule of this game.
私、このゲームのルールを説明できるよ。
He explained how the machine worked.
彼は、その機械がどう動くかを説明した。
She explained (that) we needed to fill in this document first and then hand it in the person in charge until 5 o’clock.
私達はまずこの文書に記入し、5時までに担当者に提出しなければならない、と彼女は説明した。
It’s good practice for her to explain things in English.
物事を英語で説明するのは、彼女にとってよい訓練だ。
また、explanationは、explain の名詞形で、「説明」という意味です。
例文)
She changed the plan without any explanation.
彼女は、何の説明もなしに計画を変更した。
describe=様子を述べる
もう一つ、日本語の「説明する」にあたる英単語してよく用いられるのが、describe という動詞でしょう。
こちらは、特に「物事や人の様子・外観について、述べる」という意味で使われます。
主な使い方は、以下の通りです。
describe something
(物や人について)様子を述べる
describe what/when/who/where/why/how …
何が・いつ・誰が・どこで・なぜ・どのように~か、を述べる
例文)
She described the man she saw at the cafe to the police.
彼女は、カフェで見た男について(どんな感じの男だったかを)、警察に説明した。
Please describe to the court exactly what you saw.
あなたが見たもの(こと)を、正確に裁判官に述べてください。
また、description は、describe の名詞形で、「記述・描写・説明」などと訳されます。
例文)
Write a description of your favourite painting.
あなたの好きな絵画について記述せよ。(どんな絵か、見た目の特徴を書く)
She gave the police a description of the man.
彼女は、その男の様子(どんな感じの男だったか)について、警察に説明した。
explain と describe の違いは?
紛らわしいのは、explain と describe、実際どう違うの?というところではないでしょうか。
どちらも確かに、日本語にすると「説明する」的な意味になるのですが、
explain : 物事の手順や、判断・行動の理由を「説明」する
describe : 物事や人について、見た目の様子や特徴などを見たままに「述べる」=「説明」する
という違いがあります。
たとえば、
“Please explain the accident. (= give the reason for the accident.)“
→ そのアクシデントがなぜ起こったのか、理由を述べる。
例)「私は慌てていたので、勢いよくドアを開けてしまい、手前にある花瓶を割ってしまった。」
“Please describe the accident.”
→ そのアクシデントがどんな様子だったか、見てわかった状況を述べる。
例)「白い車が青信号で右折した時に、対向車線の車が直進してきて、白い車の左ヘッドライトに激突した。」
という違いになります。
説明を始める時、英語でどう言う?explain を使って。
誰かと話し合いになった時、
「自分がなぜそう思うのか、理由を説明したい。」
あるいは仕事で、
「なぜこの商品がお客様におすすめなのか、を説明したい。」
「この企画について説明したい。」
など……。
人に何かをわかってもらうために、説明することは必要不可欠です。
そんな時、いきなり説明を始めるのは、やっぱり不自然(笑)。
「では、~について説明します。」と、ナチュラルに前置きしたいですよね。
そういう時、英語で何といったらよいでしょうか?
先に挙げた、explain を使うなら、こんな言い方があります。
たとえば、Let me explain … という始め方。これは、「説明させてください。」というニュアンスです。礼儀正しさが必要なシチュエーションでは、頭に Please をつけるとよいでしょう。
例文)
Let me explain.
説明させて。
※会話の中で、「説明したい」ことを伝えるために、最も簡単な言い方。
Please let me explain why we need a different approach.
なぜ我々には別の手法・方法が必要なのか、私に説明させてください。(説明いたします)
But before I begin, let me explain what I mean by facing your patterns.
ですが、(話を)始める前に、『あなたのパターンに向き合うこと』とはどういう意味か、説明させてください。
Let us explain how it works with the following example.
それがどのように機能するか、これから例と共に説明させてください。
また、I’m going to explain … という始め方も使えます。「これから~について説明しようと思います。」といったニュアンスで使えます。
例文)
First, I’m going to explain what happened to me.
まず最初に、私に何が起こったか、説明しましょう。
Today, I’m going to explain how you can start your own business.
今日は、あなたがどうやって自分のビジネスを始めることができるか、説明しようと思います。
「~を説明します。」ナチュラルで簡単な言い方!
と、ここまで explain や describe について説明してきましたが、これらの英単語を使わなくても、より簡単でシンプルな言い方ができます。
たとえば、
Let me tell you … (口頭や文章で説明する場合)
…を説明させてください。
Let me show you … (物を見せながら説明する場合)
…についてお見せします(示させてください)。
などは、当たり前のような表現ですが、何かを相手に説明する前の「前置き」として、日常的な英会話では、とてもナチュラルな始め方です。
先に説明したように、Let me … を、I’m going to … に変えてもOKです。
例文)
Let me tell you why you shouldn’t have sugary drink.
なぜ、砂糖の入った飲み物を飲むべきでないのか、説明してあげるよ。
Let me tell you what it’s like.
それがどういうものなのか、説明させてください。
Let me show you how our online booking and reservation system works.
我々のオンライン予約システムがどのように機能するか、説明いたします。
また、たとえば、
質問)
Describe a time when you received good service in a restaurant or cafe.
レストランやカフェでよいサービスを受けた時のことについて、説明してください。
回答)
I’m going to talk about the service we received in a restaurant where my family celebrated Father’s day last Saturday evening.
先週の土曜日の夜、家族で父の日を祝ったレストランのサービスについて、説明します。
のように、I’m going to talk about something … という言い方も使えます。
IELTSのスピーキング試験では、よくこのような問題が出題されるので、「~について説明します」という始め方を覚えておくと、とても役立ちます。
まとめ
人に何かを説明する場面は多くあります。
たとえば、ビジネスのプレゼンや、スピーチ、説明会、あるいは顧客や会社の仕事仲間など……に、プロジェクトの内容や研究の内容を説明することがあります。
そんな場合、日本ではかしこまった言い方をすることが多いと思います。
が、英語では(オーストラリアでは?)、特に、会話や、顔を合わせての話の場面では、わかりやすく簡単な言葉遣いの方が、自然に聞こえる場合があります。
たとえば、私の夫はIT系の仕事をしており、顧客にシステムなどの説明をすることもありますが、そんな時、explain を使うより、
Let me show you …
Let me tell you …
というような言い方の方が、特に相手と会話しながら説明する場合は、ナチュラルだし通じやすい、と言っています。
また、日本語では、お客様に対しては「ご説明いたします」などの、独特の丁寧な言い回しというのがありますが、英語では販売側の人でも、そこまでかしこまった言い方はしないように思います。
もちろん、1対1なのか、大勢を前にしてのスピーチか、ディスカッションなのか。カジュアルな場面か、フォーマルな言葉遣いが適しているのか。……などによって、選ぶべき表現は変わってくると思います。
シチュエーションによって適した表現を使う、ということは、やはり経験を積まないとなかなか難しいですよね。
ただ、
「説明する=explain・describe」
と覚えるだけでなく、
「相手に何かを話したい、説明したい時は、こんな『言い方』をする。」
というのを覚えると、会話全体がよりナチュラルに聞こえる英語を話せるようになると思います。