私事で恐縮ですが…。
私の住む西オーストラリア州では、公立学校の1学期(term1)が先週で終了しました。今日から2週間のスクールホリデーです。新しい学年の最初の学期というのは、毎年気を使うものですが、無事に終わってホッとしています~(笑)。
毎年、我が子のハイスクールでは、学年の最初にテスト(!)があり、その結果を元に先生と親で「面談」を行います。今年もその面談が、先月の終わりごろにありました。
ハイスクールは科目ごとに先生が違っていて、科目ごとに面談を行うので(しなくてよい科目もあるが)、その日は結構な人数の先生と対話をすることになります。
2年前、ハイスクールの最初の年は、システムがよくわからないこともあり、すごく戸惑いました。何より、自分が先生に言いたいことがあっても、英語でうまく伝えられる自信がなかったし、先生の言っていることも理解できているか自信がありませんでした。
自分の子どものことを話さなくちゃならないので、とにかく無我夢中で面談に臨みましたが、すごーーーーく緊張したのを覚えています。
でも、今年の面談では、その時に比べたら言いたいこともスムーズに言えるようになったし、先生の言うこともだいぶわかるようになりました。会話の途中で質問を挟んだり、理解できない時は「それってどういうことですか?」と聞き返すこともできるようになりました。
何より、一緒に面談に行った夫に、「(私の)英語が上達していて、ビックリした!」と褒められました(笑)。
自分なりにやってきた勉強法が、間違いではなかったのかな…、と、思うことができました。
やったー!
そんなわけで、今回は改めて、私がやってきた「スピーキング上達法」を紹介したいと思います。
といっても、誰でもできる、本当に小さなことですが・・・
シャドーイングで英語は上達する?
ネット上には、スピーキングに有効と言われる様々な英語の勉強法があります。が、どれが本当に効果があるんでしょうか?
「ネイティブ環境にいるかのように、とにかくネイティブ英語をガンガン聞けば話せるようになる!」と考える人は多いかもしれませんね。
ネイティブの英語をひたすらマネしていれば、「ネイティブのようにペラペラと英語が話せる」ようになるでしょうか?
・・・私自身は実際に「ネイティブ環境」で暮らしていて、それは違うんじゃないかなーと思います。
確かに、耳が慣れるために、聞いた方が聞かないより100倍も1000倍もいいですが。
たとえば、英語学習者の間では、「シャドーイング」という学習法が有名です。
これは、お手本となるネイティブのスピーキングを聞き流しながら、少しだけタイミングを遅らせて「同じことをまねて言う」やり方。スクリプトなどの書かれたものは見ず、聞いた音をそのまま口に出して言う、という練習法です。
人によっては、これがとても効果がある、という意見もありますね。
でも、私自身は試してみたものの、ちょっと自分には合わない気がしました。というか、やるとしたらかなり上級者向けの練習法では?と思いました。
というのは、基本的にシャドーイングは聴きながらしゃべるわけですが、常にお手本を「聞き続けなければならない」ので、自分がきちんと言えているか、は確認できないからです。
なんとなく「言えている」気になるかもしれないし、ネイティブの話すスピードに慣れることはできるのかもしれません。
が、スピーキングは、「自分の考えを言う」ことが大切なのです。
英語を話すためには、「自分の考え」を、「英語の文」にし、「英語で発音する」ことが必要です。
この両方を、話す時は瞬時にやるわけですが、英語を話す練習を始めたばかりの人が、いきなりネイティブのスピードでできるはずはないのです。
これらを、まずは自分に合ったペースで、ゆっくりと練習していき、慣れたら速度を速めていく・・・というのが、やはり順当な練習方法ではないでしょうか。
「自分の考えを英語の文にする」ために、必要な練習については、今までも書いてきました。
では、「英語の文を英語で発音する」という部分を上達させるために、どんな練習をしたらよいか?
私自身がやってきた(今もやっている)ことを紹介したいと思います。
「英語の話し方」を知る
まず、英語を話すためには、「英語を話す時、ネイティブはどのように話しているか?」を知る必要があります。
たとえば、アクセント、抑揚のつけ方、間の取り方、強調のしかた・・・
それを知るためには、英語の会話をたくさん聞くのが、やはりよいと思います。
そのために良い素材と言うのは、本当にたくさんあると思います。
英語の映画や、海外ドラマなど・・・は、多くの人が選ぶ素材ではないでしょうか?人それぞれ適したものがあると思います。
私自身が、特に英語初心者におすすめしたいのは、前回の投稿でも書いた通り、『子ども向けアニメ』ですね。ネットで無料で視聴できる、英語の子ども向けアニメを、以下の記事で紹介しています。
こうした動画を見る目的は、「英語での話し方の雰囲気・トーンを知る」ということ。人への話しかけ方、それに対する答え方、質問のしかた、文の区切り方、などなど・・・。
英語には、日本語とは違う抑揚があることを知り、英語独特のその雰囲気に親しむことが大切です。
本を音読する
もう一つ、「話す」という練習をするには、「本の音読」、つまり「声に出して読む」ことが効果的です。
リスニングをしながら話すシャドーイングのような練習法では、自分に合った速さで「言う」ことができません。
「声に出して読む」ということは、自分の頭の中で文を理解しながら、それを発話する、という練習ができます。
自分のペースに合わせて言う。。。最初はムリなくゆっくり始めるのが良いと思います。
実は私自身、英文を読む時に、何でも声に出して読むようにしていました。
最初は、一単語一単語追うのが精いっぱいでしたが、慣れてくると少しずつ、2,3語がまとめて頭に入ってくるようになります。すると読むのも早くなるし、ある程度のかたまりで声に出すことができるようになります。だんだんとスムーズに英語が言えるようになり、上達が実感できます。
その時に、アニメ動画などで聞いた、登場人物の会話の口調やトーン、文の区切り方や抑揚などを意識してみるとよいです。
音読に使う英文は、自分が読み慣れているもので、なんでもよいと思います。
私自身は、それこそ身の回りにある、オーストラリアのオンラインニュース、図書館で借りた雑誌、コミュニティ新聞、子どもの学校からのお手紙、、、なんでも声に出して読みました(笑)。
私が愛用している文法書、ケンブリッジのGrammar in Useも、文法学習だけでなく音読にもおススメです。
もしも、いきなり大人用の長文がニガテ・・・というようなら、子ども用の絵本とかもすごくよいですよ。以前、英語が上手な知り合いの方も、「絵本は英語の勉強におススメだよ。」と言っていました。
また、私個人的には、小学校低学年向けの科学系絵本をおススメしたい!
我が家には、この「National Geographic Readers」シリーズの本が何冊かあります。小学生の息子のために買ったのですが、私も読んで勉強になりました。
短いセンテンスで読みやすく、文も非常にわかりやすいです。しかも日常でよく使われる科学系の単語が覚えられるので、一石二鳥?いや、それ以上にお得!
科学系の本では、会話の練習にはならないのでは?と思うかもしれません。
が、会話と言っても、行き着くところは「自分の考えを言う」ということ。「主語+動詞+目的語(+補足の情報)」を、必要十分な形で、明確に伝えるということです。その訓練には、こうしたタイプの本は役立つと実感しています。
レベルが1~で、上がっていくほど難易度が上がります。
以下は、レベル2の本の一部です。レベル2でこのくらいの内容です。
日本国内でも、Amazonで購入できるみたいですね!
このシリーズの一覧が以下のリンクで見られます。興味ある方は見てみてください。
National Geographic Readers 一覧 - Amazon.co.jp
英語に慣れていない人にとっては、音読ってすごく難しいと思います。
でも繰り返すうちに、少しずつ慣れてきて、だんだんと長い文をスムーズに読めるようになってきます。
慣れてきたら、リンキング(単語と単語のつなぎ、子音と母音の接続)を取り入れていきましょう。
リンキングについては、以下の過去記事をご覧ください。
もちろん、発音がわからない単語は、電子辞書等でチェックをお忘れなく!
これをしっかりやっていくだけでも、流れのある「英語らしい英語」が話せるようになってくる、はず!
焦らずに、自分に合った速さできちんと音読していくことが大切だと思います。
まとめ
「英語が話せる」ようになることをイメージした時、多くの人は「ネイティブのようにペラペラと英語が話せる」姿を想像すると思います。
でも、いきなりネイティブのスピードで話そうとしても、それはムリなんです…。
これまでも、このブログの中で、英語を話すための練習法やコツについて書いてきました。
特に初心者の人が英語を話す練習をするためには、まず「ネイティブのように話す」という幻想を捨て、ちゃんとスタート地点に立つことが大切なんじゃないかな、と思います。
そこから、一段一段、ステップアップしていくこと。
それが最終的には、確実に上達することにつながると思います。
今回の記事も含め、これまで紹介してきた勉強法・練習法は、どれも当たり前すぎるような方法かもしれません。
「これさえやれば、スピーキングがメキメキ上達する!」という方法は、残念ながらないと思います。
ただ、とにかくガイコクジンを目の前にして、とにかくたくさん英語を話していれば、うまく話せるようになる!と言うものでもありません。
スポーツや楽器の練習と同じように、今の自分のレベルに合わせたトレーニングをしていくことが大切ではないでしょうか?
私自身もまだまだですが、やはり4年前の自分に比べたら、英語も上達していると思います!
あきらめずに、コツコツと練習を続けていきましょう!