英語を話せるようになりたい、と思うけど、じゃあどうしたらいいの?というところで止まってしまう人もいるでしょう。
確かに、自分が海外映画で見るような英語の会話をするところなんて、想像がつかないものです。
そうなるために、いったいどんな勉強をしたらよいかなんて、まったく考えもつかない・・・
初心者のための文法本やテキストはあっても、話す練習って、何からすればいいの?
英会話教室に行ったり、今だとスカイプで海外の講師と英会話が学べるシステムもあります。
でも、お金がかかっちゃうし、時間も必要。
何より、そこまでのレベルもない。とにかく話せない!
そんな人が、まず『英語を話す』という練習をどうやったらよいか。。。ということについて、書いてみたいと思います。
最初の一歩
一応私は、大学まで一般教養として英語を学んできたので、その程度の基礎知識はあります。忘れているところも多いけれど、まったく未知の言語ではありません。
さらに、パースに来ることが決まってから、日本で渡航の準備をしながら独学で英語の勉強をしていました。
といっても、当時3歳の子どもを四六時中お世話しながら、家事をしながら、だったので、大したことはできませんでした。覚えているのは、料理や洗濯をしながら、ポッドキャストで英語のニュースを聞いていました。
でも正直、95%以上は聞き取れなかった(汗)し、あまり役に立った実感はありません。
後は、Japan Timesという英字新聞を読んでいました。
これは、効果があったかどうかはわかりませんが、子どもがいて、英語を集中して聞いたり動画を見たりすることが困難だった私にとっては、すき間時間に、気になる記事から少しずつ読める、というスタイルがフィットしていました。
まあとにかく、英語は苦手意識はなかったし、勉強しようという気持ちもありました。
それでも・・・パースに来てみて、実際に英語を話さなければならない場面になって、自分でも驚いたことがあります。
まず、単語とか、まとまった言葉しか出てこない。
文にならないんです。
たとえば、
「これ合わせて(値段)いくらですか?」と聞きたい時に、
しか出てこない。
「飲み物はいかがですか?」と聞かれた時、「今は十分だから後でまた頼みます。」と言いたいのに、
としか言えない。
切符を買いたい時に、窓口で「大人用の切符を1枚頂けますか?」と言いたいのに、
という言葉しか出てこない。。。
まるでおバカみたいに、口をパクパクしながら単語をくりかえすだけ。・・・ホントですよ、コレ。
文で話せないんです!
自分が本当に子どもになっちゃったみたいな気持ちになりました。。。
そんなわけで、私自身、もっとましな英語を話したい!と痛切に思いました。
そのために私はまず、「文で話せるようになろう!」と思ったのです。
「文で話す」とは?
英語にはもちろん、様々なルールがあります。
私はそれを、中学校+高校+大学で、たくさんの知識を覚えてきました。
でも、いざ話す時になったら、頭からすべて吹き飛んでしまう!
とにかく私は、「単語を繰り返す」だけの英会話から脱したいと思いました。
たとえば、お店で、水が欲しかったら、とっさに Water!と言ってしまいたくなるんだけど、
という。(この際、a glass of water とかはまだいい。)
お店で「これでいいですか?」って聞かれて、Good!とかOK!とか言いたくなるけど、
”That’s good.”
”It’s OK. ”
とかいう。
すごく初歩的な文だけど、ちゃんと文(センテンス)の形にして言うように練習しました。
私のスピーキングの練習は、ここから始まりました。
どんな練習をしたか?地味だけど一人でできる方法
私は確かにパースにいて、日常的に英語に触れている、と言えます。英語を学ぶ環境としては、確かに恵まれているといえるでしょう。
しかし、いつもいつもネイティブの人と話すわけではありません。
私は語学学校にも通っていなかったし、週一回一時間の英語教室が唯一の英語を学ぶ場所でした。
ネイティブの人と英語を話すといえば、子ども達の学校の先生とやりとりしたり、買い物の時に店員さんと話したり、ご近所さんと時々軽い会話をする機会が主でした。
それも、毎日毎日何時間も、とは程遠い頻度です。
私は英語がヘタだし、周りの人達だって、時間がある時は会話に付き合ってくれるけれど、毎日相手をしてくれるほどヒマな人なんて、実際いません。
だからパースにいたとしても、会話の練習は自分でやっていました。
でも、うまくなるためには、そうやってやるしかありません。
何をやっていたかというと、一人でしゃべっていました。
私自身は、まず、とにかく簡単な文を言えるようになることが目標だったので、身の回りの思いついた出来事を、英語で言ってみる、ということをやっていました。
「今日は寒いわ~」と思ったら、
「のど乾いたな~」と思ったら、
疑問形や否定形も積極的に使ってみます。
「おなかすいた」と思ったら、誰もいなくても、家族としゃべってるつもりで
“Are you hungry? I’m hungry.”
ラジオで好きな曲がかかったら、
“I like this song. But my husband doesn’t like it. Do you like it?”
と、口に出してみるということです。
これ、文章で読むと、すっごい簡単で当たり前に思えるけど、実際に英語に慣れていない人にとっては、「言う」のは結構難しいと思うんですよね。
たとえば、「寒いなぁ~」とふと思った時、日本語だと一番先に思い浮かぶのは、『寒い』という言葉。だから、coldって、思わず真っ先に言いたくなっちゃうんです。
たとえば、「水飲みたいなぁ~」と思った時、まず最初に頭に出てくる言葉は『水』。だから、water ってとにかく言いたくなっちゃう。
でも、英語は語順が違う!まず最初に、I とか Itとか、主語を言う必要があります。
頭に浮かんだ単語を先に言ってしまうと、そこで文が終わってしまうんです。だから単語しゃべりになっちゃうのかなーと思いました。
思ったことをパッと言いたいところをがまんして、頭の中で英語の文を組み立てて、言葉にする。これが必要です。
最初はすごく時間がかかって、イライラしてしまうんですが、どんなことも、何度もやっているうちに慣れてくるものです。
だから最初は、
主語 + 動詞 (+目的語)
の、3~5単語くらいでできている、簡単でシンプルな文から練習していくのがよいです。
通常の形が慣れたら、疑問形や否定形、主語をIからYou/He/She/It/Theyなどに変えてみましょう。これがまた、慣れるまでは難しいんです…。知識としては知ってるはずなのに、言おうとするとこんがらかっちゃいませんか?
と言えたとして、
って、パッと出てこなかったり。
そこを練習します。
発音は良いに越したことはないけれど、『LとRが上手く言い分けられない!』とか、『VとBがうまく言い分けられない!』とか、この段階では厳密に気にする必要はないと思います。とりあえずは・・・。『a と theどっちだっけ?』とかも、まあ脇に置いといて。それを気にして何も言えなくなっちゃうよりは、まず必要な単語を頭で文に組み立てて、口に出す、という練習に集中します。
そのくらいのシンプルな文がすんなり言えるようになってくれば、追加情報を足していくこともできるようになってきます。
たとえば「寒い」時なら、
“I’m really cold.” (ホントに寒いわ~)
“I’m cold so I want to put on my jacket.” (寒いから上着を着たい)
“I’m not cold, but I just want to drink hot tea.“ (寒くはないんだけど、温かいお茶が飲みたいわ)
などのように、センテンスを長くすることができるようになってきます。
とにかく最初の、主語+動詞(+目的語)がしっかりと言えれば、それをつなげて長い文にしたり、「ものすごく」とか「明日の午前中に」とか、追加の情報を付け足していくことにも、少しずつ慣れてきます。
まとめ
英語を話す練習と言うのは、最終的には人と話すことで、大きく鍛えられることは言うまでもありません。
しかし、いつでもネイティブと会話しなければ話す練習ができないか、と言ったら、そうでもないと思います。
どんなことも、やり方を覚えたら、それを何度も練習して、うまくできるようになるものですよね。練習は、一人でこつこつとやる時間も必要です。
思い返せば、我が子がまだ言葉を覚えたての頃、テレビのセリフや親(私)がよく言う言葉をまねては、一人で何度も繰り返し、独り言を言いながら遊んでいたことを思い出します。
子どもはそうやって、聞いた言葉を自分で繰り返ししゃべりながら、話し方を覚えていきます。
同じようにやると思えばいいですよね。
たとえばそういう練習の合間に、英会話教室に通ったり、英語の上手い人と話す機会を作れると、とても効果的かもしれません。
また、今回の記事を読んで気づいた方もいるかもしれませんが、こうやって話す練習をする過程で、必然的に、
じゃあ、「おとといキングスパークに行った」とか、「あの映画見に行けた?」とか、「来週からキャンプに行く予定だ」とか、「カギを閉めておけばよかった」とか・・・
それぞれの単語がわかっていても、どんな文を組み立てたらいいんだろう?
って思うことも、出てきますよね。
それについて学ぶのが、文法です。「英語を話そう」と思った時に、初めて文法の大切さがわかる・・・と私は思いました!
このことについては、こんな記事も書いています。興味がありましたらぜひお読みください。