「英語が話せるようになりたいな~!」と考える人は多いと思います。
でも、そもそも英語が話せるって、どういうこと?
たとえば、ネイティブスピーカーと、よどみなく会話できること?
スラングや略語、難しい語彙を使って、会話できること?
何度も聞き返したりせずに、相手の言っている意味がわかること?
日本人の発音のクセなどを感じさせず、ネイティブのような発音で話せること?
・・・もしもあなたがそう考えているなら、それこそが、「英語が話せない」原因かもしれません。
聞き返さないことより、聞き返し方が大切
英語を話すことの一番の目的は、相手とのコミュニケーションを取ること、ではないでしょうか?
コミュニケーションを取る、ということは、相手が何を私に伝えたいと思っているか、を適切に受け取ること。そして、自分が相手に伝えたいことを、できるだけ的確に相手に伝えること。
英語に不慣れな人ほど、聞き返すのって勇気が要りますよね。私も最初は、うまく聞き取れなくて何度も何度も「Sorry?」「Pardon?」と聞き返すのが苦痛でした。
でも、よくよく人の会話を聞いていると、ネイティブ同士でも、「Sorry?」といって聞き返していることもよくあるんですね。聞き返すことは悪いことじゃない。
ただ、何度も何度も「Sorry?」と言うだけでは、やっぱり気まずいものです。
何がわからないのか、を続けて相手に伝えることが、会話を進めていくコツと言えるかも。
たとえば、一度Sorry?と言って、繰り返し言ってもらってもわからなかったら、
What does that mean? (それはどういう意味?)
What does the word XXX mean? (XXXという言葉はどんな意味? ※単語がわからなかった場合)
などと、言葉を変えて聞いてみるとか、
Do you mean that ~?(~ってことですか? ※~には文が入る)
と言ってみるとか・・・
自分が今何を理解できていて、何がまだわからないか、を明確に相手に伝えながら会話を続けていくことが大切なんじゃないか、と思います。
へたくそなりに、相手にハッキリ伝えること……。
「言われたことがわからない時の対処法」については、以下の記事により詳しい具体例をまとめました。
クセやなまりは気にする必要ない
よく、『ジャパニングリッシュ』という言葉で、日本人の英語発音を揶揄することがあります。
私は英語が話せない、と思っている人の中には、発音がジャパニングリッシュだから、ネイティブにバカにされる、と思っている人も多くいるかもしれません。
しかしパースで過ごしてみてわかったことは、どの国の人もそれぞれの国の言葉のなまりがある英語をしゃべるなー、ということ。
日本人だけじゃありません。
特にパースは、東南アジア、インド・パキスタン、中東系からの移民が多い都市です。またヨーロッパ系の人も多い。クセのある英語をしゃべる人はとても多いです。それでも、みんなここで働き、学び、生活しています。
また、パースで長年暮らしている日本人の人達も、皆が皆、ネイティブのような英語を話すわけじゃありません。それでも肝心なことは、この海外の地でしっかりと仕事を得て暮らしている人が多くいる、ということです。私は同じ日本人として、そういう人達のことをとても尊敬したい気持ちになります。
相手にとって聞き取りやすい発音はもちろん重要ですが、それは必ずしも、ネイティブのような発音でなければダメ、ということではないんじゃないかと思います。たとえなまりやクセがあっても、しっかりはっきり、ポイントを押さえて、そして自信を持って発音することの方がまず大切なんじゃないか、と思います。
それでも、時に自分の言ったことが相手に通じない、という場合も実際にあります。そんな時は、別の言葉で言いかえたり、追加で相手に情報を与えることも大切です。
たとえばお店で、
I’m looking for plain flour. (小麦粉を探してるんですけど~)
と店員さんに言ったんだけど、plain flour がうまく発音できなくて聞き返されてしまった場合(これは実際にあったこと 笑)、
Because I need it for baking. I want to bake cookies.
(お菓子を焼くのにそれが必要だから。私はクッキーを焼きたい。)
などと続けて言ってみると、相手はピンと来てくれることがあります。
「言いたい英単語がわからない、うまく言えない時の対処法」については、より具体的な例をこちらの記事にまとめました。
スラングを知ってる=会話上手、ではない。
学校で習う英単語は堅苦しすぎるから英会話には向かない、ネイティブはもっとくだけたスラングを使う・・・と思っている人も多いかもしれません。
確かに、『会話でよく使われる表現』『フォーマルな文書で使われる表現』というものはあります。それは日本語でも同じですよね。
しかし、スラングをペラペラと話せることが、必ずしも英語ができることではありません。
海外ドラマや映画などで、若い男女が早口でピンポン玉のように英語の会話をやりとりしているのを見ると、あこがれる気持ちはあるでしょう。ああ、あんな中に入っていけたらなぁ~。
でも考えてみてください。日本人の若者たちが、
「だせー、マジうぜー。あいつちょーキモいからシカト。やばくね?」
と流暢な日本語でペラペラしゃべっていたとして、それを覚えることが「日本語が話せる!」ことだと思いますか?そういう日本語を必死で覚えようとしている外国人の人がいたら、「やめとけ」って言いたくなりませんか(笑)?
もちろん、覚えられるなら覚えてもよいでしょう。言葉の意味を知っていたら、役立つことはあるかもしれません。
でも、「スラングをペラペラ話せる=英語がデキル」ではないということ。
スラングというよりは、シチュエーションに適した表現を知る方がよいと思います。先にも述べたように、日常会話にふさわしい表現、ちょっと形式的な文書や手紙に適した表現、という違いは覚える必要があると感じます。
逆に、いざ英語環境に入れば、スラングの単語などは自然と耳に入ってくるので、必要な状況で自然と覚えていくことができるのでは。
まずは簡単で基本的な内容を、確実に相手に伝えることが、英語を話す上では優先順位が高いと思います。
まとめ
「英語が話せるようになる!」とはどういうことなのか?
私自身もまだまだ、自信を持って話せるというには程遠いです。
でも、実際に英語圏に来てみて思ったことは、「英語を話せる」ということが、自分が漠然と日本で描いていたイメージとはずいぶん違っていた、ということです。
最も大切なことは、自分の要求を相手にわかりやすく伝え、相手が話している中で自分が必要な情報をキャッチする、ということ。それを、自分が今現在持てる英語の知識やスキルの中で最大限にやっていくこと、かなーと思っています。
そして、語彙を増やしたり、文法の知識をつけたりすることは、使える英語の幅を広げ、結果的に英語のコミュニケーションをどんどんラクにしていくことにつながります。
まずは、最低限伝えなければならないことを、正確に、確実に相手に伝えられる、ということに集中するとよいのではないかと思います。