生活の中で、意外と算数って使いますよね。まあ、数字は英語でも日本語でも共通なので、数式などを見れば、言葉に関係なく理解することも解くこともできます。
ところが……。
英語で生活してみると、意外と算数や数学に関する「英語表現」って、日常会話レベルでも使う必要性が出てきます。たとえば、「これに50を足して……」「●●の▲倍だから……」なんて言葉で表現することは、文章や会話でも本当にナチュラルにあるんですね。そんな時、
「本当に簡単や計算や、基本の算数の表現なのに、英語で何て言うのか、わからない!!」
と、自分に衝撃を受けることが多々ありました(笑)。
そんなわけで、過去には「四則演算に関する英語表現」や、「より大きい、~倍大きいの言い方」や、「基本的な図形の英単語」について書いてきました。
そんな「算数表現」の一つが、
分数
ではないでしょうか???
たとえば料理をする時でも、「1/3カップの水」とかよく言いますよね。そんなレベルで、分数は日常会話でも本当によく使われます。
ところが、「分数の英語表現」は、ちょっと複雑というか、覚えるべきルールがいくつかあります。そこでこの記事では、「分数の英語での読み方」や、「分数を説明する時に使われる英単語」を、わかりやすくまとめたいと思います!
英語での分数の読み方、基本のルール
まず、これは日常会話レベルでもしっかり覚えておきたい!
分数を英語で表現する時の基本ルールは、
分子 = 数字(three, five, ten …)
分母 = 序数(third, fifth, tenth …)
これらを、”分子 + ハイフン + 分母” の順につなげます。
例)
1/8 = “one-eight”
9/11 = “nine-elevenths“
※読む時は、ハイフンは読まず、“one eight”, “nine elevenths” と発音します。
※分子が複数(2以上)の場合、分母は「複数形」になります。上の2番目の例では、分子が 9 なので、分母が elevenths と ‘s’ がついているのです。
ただし、1/2 の 時、1/4 の時は、特別な言い方をします。
以下に、代表的な分数の例をまとめます。
分数 | 言い方 |
---|---|
1/2 | one-half / a half |
1/3 | one-third |
1/4 | one-quarter / a quarter
(主にイギリス英語) または、 one-fourth / a fourth (主にアメリカ英語) |
1/5 | one-fifth |
2/3 | two-thirds |
2/5 | two-fifths |
3/4 | three-quarters /
three-fourths |
3/7 |
three-sevenths |
分子や分母が大きくなると(20以上)、ハイフンが続くとややこしくなるので、書く場合には分子と分母の間のハイフンは省略されるようです。その他のルールは同じです。
例)
45/81 = “forty-five eighty-firsts“
17/200 = “seventeen two-hundredths“
over, divided by を使った分数の表現
実際に、数学で分数を使う場合などは、上のルールだけでは表現できない場合があります。たとえば、
のように、変数(x)が入っている式を読む場合は、どうすればよいでしょうか?
この場合は、
“two over x plus three”
または、
“two divided by x plus three”
のように言うことができます。分子→分母 の順で上から読んでいきますね。
たとえば、こちらのYouTubeでは、
この分数を
“two over x plus three divided by one plus three divided by x”
と読んでいました。(複雑ですね!)
英語で「分数」「分子」「分母」は何て言う?
さて、ここまで私は「分数」「分子」「分母」のようにサラッと書いてきましたが、分数の説明をする時にこうした言葉もよく使われますよね。
これらの言葉は、英語ではどう言うのでしょうか?また、他にも分数を学ぶ際に出てくる言葉は、英語で何というのでしょうか?
分数に関連する算数の英単語を、以下にまとめました。
英語 | 日本語 |
---|---|
fraction | 分数 |
numerator | 分子 |
denominator | 分母 |
proper fractions | 真分数
(分子 < 分母 の分数) 例:1/2, 5/7, 10/11 |
improper fractions | 仮分数
(分子 >= 分母 の分数) 例:3/2, 10/7, 13/12 |
mixed fractions | 帯分数
(整数 + 真分数) 例:1と1/2, 3と4/5
|
※ mixed fractions について
例)3と4/5 の場合、読み方は、“three and four-fifths” です。
また、各パーツは、
- whole number (整数)→ 3
- numerator(分子)→ 4
- denominator(分母)→ 5
と表現します。
分数の「通分」「約分」って英語でどういうの?
また、分数に関わるテクニックとして、「通分する」ことはとても大切です。
通分とは、たとえば2つの分数を足し算引き算する時に、分母の数を同じにすることを言いますよね。
例として、1/3 + 3/4 を計算する際には、
1/3 — (分子x4, 分母x4)—→ 4/12
3/4 — (分子x3, 分母x3)—→ 9/12
に変換して、4/12 + 9/12 = 13/12 と計算します。このような操作を日本語で「通分する」と言います.
英語では、異なる分数同士の「共通の分母」のことを、a common denominator といいます。上の例の場合だと、”12″ です。
たとえば、“find a common denominator” と言ったら、「共通の分母を求める」、という意味です。
また、上の例だと、共通の分母は12でも24でも36でも成り立ちますが、特に一般的には、一番小さい数(最小公倍数)を求めますよね。このような「最小の共通の分母」を
the least common denominator
や
the lowest common denominator
と言います。(時にLCDと表記される)
「通分する」に直接あてはまる表現ではありませんが、英語での表現としてはこのようになります。
もう一つ、分数を扱う時に欠かせないテクニックとして、「約分」があります。これは、ある分数を表す時、分母を可能な限り小さい数にすることです。
たとえば、8/10 という分数があった時、4/5 も値としては同じです。6/12 も、3/6 も、2/4 も、1/2 と同じです。そのため、
8/10 — (分子÷2, 分母÷2)—→ 4/5
6/12 — (分子÷6, 分母÷6)—→ 1/2
3/6 — (分子÷3, 分母÷3)—→ 1/2
2/4 — (分子÷2, 分母÷2)—→ 1/2
のように、分母が一番小さくなるように変換します。その方がシンプルでわかりやすくなりますね。
英語では、この操作、つまり「約分する」を、“simplify the fraction” と言います。
例文)
What is the least common denominator for the fractions 3/5, 4/9 and 2/3 ?
3/5, 4/9, 2/3 の最小の共通分母は何ですか? (答えは “45” となる)
Simplify the fraction 36/84 as much as possible.
36/84 を可能な限り約分しなさい。(答えは “3/7” となる)
まとめ
分数の表現は、意外と奥が深いなぁ~、と、私自身この記事を書いていて、改めて感じました。
日常英会話レベルの知識としては、最初に紹介した基本のルール、つまり one-half, one-quarter, two-thirds … などをマスターするだけでも、十分役に立つと思います。こうした表現は、値段や時間、物の量や距離などを表す際に、幅広く使われます。リスニングやリーディングで出てきた時は、慣れるまで「●分の●の意味だ」と気づくのがちょっと難しかったりもします……。ルールはやや複雑ですが、しっかり覚えたいですね!
将来、海外留学をめざす学生さんや、海外で技術系の仕事につきたい方は、今回紹介した分数の表現は、当たり前のように出てくることがあるかと思います。知っておくと役立つでしょう。また、海外移住など、英語環境で子育てする予定のご家族の方にも、必要になるでしょう。小学校以上のお子さんは、現地校で算数を学ぶ時、このような英単語を使っています。家庭学習をサポートするためには、親もこうした英語表現を知る必要があります。
算数にまつわる英語表現は、イメージよりもずっと重要度が高いので、今後もまた紹介していきたいと思います。