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日本人にわかりにくい英語の「ア」の発音の違い。実はこんなに影響大!

英語での言い方

英語をいざ話してみると、「ネイティブみたいなキレイな発音」でなくても多くの場合は通じる、ということがわかります。また、いろんな人が話す英語を聞いているうちに、誰もが「ネイティブのような発音」で話すわけでもないことがわかります。

「発音が完璧でないと英語が通じない」ということはないと知り、恐れずに会話をすることは、英語を習得するためにはとても重要なことです。

しかしながら、経験を積むにつれ、「発音の大切さ」というものもまた、身に染みることがあります。

当たり前のことですが、日本語の発音と英語の発音は、音の構成が異なります。そのため、日本人には同じように聞こえる音でも、英語を話す人にとっては大きく違う発音、というのもあります。

以前の過去記事の中でも触れましたが、

日本人には難しい?発音しにくい英語の発音5パターン。
英語には、日本語にはない発音がたくさんあります。日本人には同じように聞こえる音も、英語ネイティブは区別して聞き取っています。日本人にとって区別しづらい発音、言いにくい発音は?私がオーストラリアで英語を話す中で気が付いた「発音が難しい英語のパターン」をします。

意外と日本人にとって盲点なのが、‘a’ (/æ/) ‘u’ ( /ʌ/ )の発音の違い。どちらも日本人にとっては「ア」という発音に受け取れますが、英語ではまったく異なる二つの発音なんですね。

しかも、この a と u が違うだけで全然違う意味になってしまう、というまぎらわしい英単語が、実は結構あるんです!

以下に、そんな単語をまとめてみました。

a (/æ/) u ( /ʌ/ )
1 flash  flush
2 batter  butter
3 rash  rush
4 stack  stuck
5 track  truck
6 crash  crush
7 bad  bud
8 mad  mud
9 flatter  flutter
10 hat  hut
11 bat  but/butt

(おそらく、他にもまだまだあるでしょうが……。)

これらは、日常会話でもよく使われるレベルの単語です。それぞれ、どちらがどんな意味か、わかりますか?

以下に、これらの英単語について、意味や使われ方を、例文と共に紹介したいと思います!

ぜひ、電子辞書やオンライン辞書で発音を確かめ、自身でも発音しながら読んでみてくださいね。

 

1.flash / flush

どちらも、日本人にとっては「フラッシュ」という発音でインプットされるでしょう。
しかし、英語では 違う単語です。

flash は、いわゆる「カメラのフラッシュ」のように、ピカッと光る「一瞬の光のまたたき」のことを表します。flashlight のことなど。また、「ピカッと光る」という意味の動詞でも使います。

一方、flush は、顔の「紅潮」「赤面」、または「興奮」「感激」を表す他、日常生活でよく使われる意味として、「トイレの水洗」という意味があります。また、「トイレを流す」「トイレ(の水)が流れる」といった動詞でも使われます。

 

Did you flash the light?

ライトをピカッとさせた?(カメラのフラッシュをたいた?)

 

Did you flush the toilet?

トイレを流した?

 

 

2.batter / butter

どちらも、カタカナで書けば「バター」という感じです。

が、’a’ と ‘u’ の違いで、意味が変わってしまうので要注意!

batter は、いくつかの意味がありますが、日常生活でよく使われるのは、「(てんぷらなどの揚げ物や、パンケーキなどの)生地」という名詞です。小麦粉と卵と水分を合わせた生地のことですね。たとえば、Tempura batter といえば、てんぷらの衣の生地のこと。

その他、batter は動詞でも使われ、「強くたたく」などの意味もあります。また、日本語で言う「(野球の)バッター」も、batter です。

 

一方、butter は、誰もが知っている、パンに塗るあの「バター」。

 

Batter-fried fish 

= 粉と卵で作った衣をつけて揚げた魚料理。(バターで揚げた魚、ではない!)

 

Honey butter fried chicken

= フライドチキンをはちみつとバターで味付けした料理。

 

発音だけでなく、つづりもとてもよく似ています。海外旅行などでレストランの英語メニューを見る機会があったら、注目してみてください!

 

3.rash / rush

カタカナ風に言えば、どちらも「ラッシュ」、ですが……。

rash は、名詞としては、「発疹」「吹き出物」という意味で使われます。肌に赤いブツブツができた時など、それを rash と言います。

他に、形容詞では「軽はずみな」「性急な」といった意味があります。

 

一方、rush は、「急ぐ」「急いで(何かを)する」という意味の動詞で使われます。あるいは、「急ぐこと」という名詞の使い方もあります。

 

I got a rash on my left arm last night. 

私は昨夜、左腕に発疹ができた。

 

I was in a rush last night.

私は昨夜、急いでいた。

 

4. stack/stuck

こちらも、日本語風に言うなら「スタック」になります。が、実は2通りの単語があります。

「スタック」といえば、何かが「積み重なっている状態」を思い浮かべる人も多いと思いますが、それにあたる英語が stack

stack は、「積み重ね」「積み重ねた山」のことを表します。または「(物を一つ一つ)積み重ねる」という動詞でも使います。

日本でも、重ねるタイプの収納ボックスを「スタックボックス」と言ったりしますが、これはまさに積み重ねて使える、ということ。

また、IT用語で使われる「スタック」というメモリ領域は、最後に記憶した情報から先に読み出される、という構造になっていますが、これは「下から積み重ねた本を、上から取って行く」というイメージに似ているため、stack と呼ばれるのです。

 

一方、stuck というのは、stick (くっつける・動けなくする)の過去・過去分詞形。
be stuck で、何かにくっついて取れない、狭い場所にハマって動けない、という意味になります。

たとえば車好きの人は、日本語でも「雪道でスタックする」のように言うと思いますが、この場合は stuck の意味です。

英語の語源を知っておくと、正確に意味が把握できますね。

そして、発音の違いも注意!です。

 

There is a stack of papers over there.

あそこに書類が積み重なっています。

 

I was stuck in a traffic jam for one hour.

渋滞に一時間ハマった。

 

 

5. track/truck

日本語で考えたら、どちらも同じ「トラック」。でも、やはり英語では、意味が異なる2つの単語です。

track は、「軌道」や「道筋」という意味。また、競技場の「トラック」も、これにあてはまります。たとえば、“rail track”というと、鉄道の線路(電車が通るレールを指す)のことを表します。

また、動詞では「道をたどる」「足跡を追う」といった意味もあります。荷物を郵送する時に「トラッキング番号」なんて聞いたことがありますか?これは、tracking number(荷物を追跡するための番号)のことです。

 

一方、truck といえば、大きな車の「トラック」。
たとえば、ゴミ収集車のことを、口語で garbage truck とか rubbish truck と言ったりします。

発音が違うと、意味が変わってしまいますね。

I found a track in a wood.

森の中で小道を見つけた。

 

I found a truck in a wood.

森の中でトラックを発見した。

 

 

6. crash/crush

日本語でも、「クラッシュ」という言葉が使われますが、英語では2つの単語があります。

crash は、人や乗り物が「何かに衝突する」とか、「何かに激突して壊れる」という意味の動詞です。「飛行機が墜落する」ことも、crash と言います。
また、「激突」や「(飛行機の)墜落」という名詞でも使われます。

 

一方、crush は、「押しつぶす」「つぶして形を壊す」という意味があります。

たとえば、料理で「いちごをつぶす」とか。ギュウギュウ詰めになった状態で「押しつぶされた」とか。人が混雑の中で圧迫されたり、強く押し付けられる状態も be crushed と言います。また、名詞では「群衆(混雑してギュウギュウになった人の群れ)」という意味などで使われます。

発音の違いも難しいですが、意味も微妙に違うんですね。ライティングでのつづりの違いにも気をつけたいところです。

 

The passenger plane cashed 10 minutes after taking-off.

旅客機は離陸して10分後に墜落した。

 

Next, crush the two cloves of garlic.

次に、にんにくを2かけつぶします。

 

 

7. bad/bud

日本語にすると、「バッド」というふうになりますが、英語では2つの単語があります。

bad は、「悪い」という意味の形容詞。多くの日本人の場合、「バッド」といえばこの bad を思い浮かべるのでは?

しかし、もう一つ、bud という単語があります。こちらは、「つぼみ」という名詞。あるいは、「つぼみをつける」という動詞の使い方もあります。

発音に気をつけながら、以下の例文を言ってみましょう!

 

The tree started to have some buds.

木がつぼみをつけはじめた。

 

The tree needs cutting because it looks bad.

見た目がよくなくなってきたから木を剪定しなければ。

 

8. mad/mud

日本語ではどちらも「マッド」ですが、英語では2つの異なる単語です。

mad は、多くの人が知っている通り、「気が狂っている」「頭がおかしい」「カッとなっている」というような意味の形容詞です。

日本でも「マッドサイエンティスト」なんて言いますが、この mad ですね。

 

一方、mud は、「泥」という意味の名詞です。

 

mud crab

= 泥のような浅瀬に住むカニの一種。 mad crab ではない!

mud cake

= ねっとりとした(見た目が泥のような?)チョコレートケーキの一種。

mad cake

= しいて言うなら、「とんでもないケーキ」???

 

9. flatter/flutter

カタカナで日本語風に書けば、どちらも「フラッター」という感じの発音ですが、‘a’‘u’ の違いで2通りの単語になります。

flatter は、(何かのために)「~にお世辞を言う」「~を大げさに褒める」「~をおだてる」などの意味がある動詞です。

一方、flutter は、蝶や鳥が「羽ばたきする」、旗などが「ひらひらと翻る」といった意味の動詞です。

また、“my heart flutters.” “my stomach flutters.” のように言うと、興奮や緊張のために、心臓や胃がバクバクと落ち着かない様子を言い表します。flutter は、名詞でも使います。

 

Oh, you flatter me!

いやーほめ過ぎだよ!(過剰に褒められた時に、謙遜を込めて言うなど。)

 

He makes my heart flutter!

彼って私をドキドキさせるんだ。(相手が魅力的で、魅かれることを言う時。)

10. hat/hut

日本語風に言えば「ハット」となりますが、やはり ‘a’‘u’ の発音の違いで、別の単語になります。

hat は、日本の中学校でも習う有名な単語、「帽子」のこと。誰でも知っていると思います。

 

一方、hut という単語もあります。こちらは、「小屋」のことです。

 

There are some kids hats available in the market.

そのマーケットでは、いくつかの子ども用の帽子が売られていますよ。

 

There are some old fishermen’s huts lining the coast.

海沿いに、いくつかの古い漁師の小屋が並んでいる。

 

 

11. bat/but/butt

やはり「バット」と日本語風に言い表せても、英語にすると ‘a’‘u’ の発音の違いで別の単語になるものがあります。

bat は、「こうもり」のこと。映画の「バットマン」はこれですね。

また、野球の「バット」も、この bat です。

 

一方、but は、英語学習者なら誰もが使う、「しかし」「だけど」という意味の接続詞ですね。

また、but と同じ発音で、butt という単語もあります。butt は、「(動物などが)角で~を突く」という意味の動詞や、「たばこの吸い殻」という意味の名詞など、いくつかの意味があります。

ちなみにスラングでは、bottom(おしり)のことを荒っぽい表現で butt といいます。よく海外映画などで、ass 「ケツ」(おしりの俗語表現として)と言う言葉を聞くと思いますが、butt も同じようなものですかね(笑)。

 

She is kicking butt!!

「彼女、ダントツで勝ちだね!」(ゲームや試合などで、めちゃめちゃ勝っている、相手を打ち負かしている様子を表すスラング)

 

Watch the ball hit the bat!

ボールがバットに当たるのをよく見て!

 

まとめ

まぎらわしいですね~(汗)。

私自身、まだ英語の聞き取りや発音が難しいな、と思う事は多々ありますが、特に混乱するのがこの ‘a’ ‘u’ の違いです。

また、‘a'(/æ/)の発音は、アメリカ英語とイギリス英語でもちょっと違います。アメリカ英語では、かなり「『エ』っぽい『ア』」で強く発音しますが、イギリス英語では、それほどでもありません。

それもあって、日本で英語(アメリカ英語)を学んできた日本人にとっては、オーストラリア(イギリス英語)で聞く ‘a’ ‘u’ の違いもまた難しいと感じるのでは。

しかも、この「ちょっとした」発音が違うだけで、意味がまったく変わってしまう!という単語が、実はたくさんあるんですね。文脈によっては完全に誤解される可能性もある、というようなものも……。

私自身が、英語に触れる中でたびたび気になるトピックだったので、今回こんな記事を書いてみました。

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