日本語の日常会話の中では、とってもよく使われる、「おもしろい」という言葉。
「あの映画、面白かった?」
「彼は面白い人だ。」
「そのギャグ、ちっとも面白くないよ。」
「なんか面白い話、ない?」
「このゲームはとっても面白い!」
などなど……。
ですが、私自身が「英語を話そう」として気づいたのですが、日本語の「面白い」って、わりと幅広い意味を表しているんですね。
そして、英語でこの「面白い」と一致する『単語』って、無いように思います。
では、上に書いたようなフレーズを英語で言いたい時、どんなふうに言うのでしょうか?
英語は英語で、「興味深い」や、「楽しい」、「おかしい」といった単語・表現があります。
そして、日本語の「おもしろい!」を英語で表現したい場合は、まず自分が言いたい「おもしろい」が、英語にある単語では何が一番当てはまるかな?と考えて、英語で言い換える必要があります。
そのため、「おもしろい!」はとても簡単で日常的な言葉ですが、英語にする場合は、何種類かの単語や表現を知っておく必要があります。
というわけで、今回の投稿では、「おもしろい!」と言いたい時に使える英語表現を、「面白い」のニュアンス別に、例文とともに紹介します。
面白い = 興味深い
たとえば、会話の中で、
「彼女は面白い研究をしている」
「地球温暖化に関する彼の意見は、とても面白い」
「それは面白い話だね。」
などと言う場合、面白いとは、「興味深い」「好奇心をそそられる」といった意味ですよね。
この意味で「おもしろい!」という時には、interesting が使われます。これは、日本の学校の英語の授業でも出てくる単語なので、知っている人も多いでしょう。
例文)
It’s interesting!
それは面白いね!
She is doing an interesting research.
彼女は面白い研究をしている。
His opinion about climate change is very interesting.
地球温暖化に関する彼の意見は、とても面白い。
Interesting は、「興味が尽きない」「好奇心を持った」「自分の気を引いた(=気になる)」……などと言い表せると思います。特に、何か「自分にとって特別だと感じた」様子、自分が「興味を持っている」「注目している」様子を表すニュアンスです。おおむね、ポジティブな意味で使われますが、文脈によっては、「(よくも悪くも)普通と違っている」「一般的なものと違う」様子や出来事を指して、“interesting” と表現することもあります。
もう一つ、interesting と同じ意味でよく使われる形容詞として、fascinating があります。Fascinating は、interesting よりも強い意味になります。たとえば、「すごく面白い」と強めたい場合、“very interesting” の代わりに、“fascinating” を使うことができます。これも覚えておくと、表現が広がりますし、単語のバリエーションも増えますね。
例文)
It’s fascinating!
それはすごく面白い!
It’s a fascinating story.
それはとても面白い話だね。
面白い = 楽しい
一方、
「このゲームは面白いね」
「面白い漫画だ」
「その番組、子どもが見ても面白い?」
のように言いたい時は、どうでしょうか?
文脈によっては、interesting でも当てはまるかもしれないけど、ちょっと違和感を感じる人も多いのでは?
たとえば、ゲームや漫画・本・TV…… などが「おもしろい」という場合は、どちらかというと「(遊んで/読んで/見て)、楽しい・楽しめる」という意味ですよね。
そこから考えて、英語にする場合には、「楽しい、楽しむ」という表現を探すと、うまく表現できるでしょう。
「楽しい」と英語でいうには、fun と言う単語があります。Fun は、名詞または形容詞で、以下のように使われます。
例文)
“Do you like this game?”
“Yeah. It’s fun!”
「このゲーム好き?」「うん、面白いよ!」
This was a fun comic/manga to read.
これは面白いコミック/マンガだった。(=読んで楽しめた)※
Is that TV program fun for kids as well?
この番組は子どもが見ても面白い?(楽しめる?)
※ 英語圏でも、日本のマンガは特別な文化として、西洋の「コミック」とは区別して “manga” と呼ばれることも多いようです。
また、enjoy は「~を楽しむ」という動詞です。これを使って、以下のようなフレーズで表すこともできます。
例文)
I enjoyed this game!
このゲーム、面白かった!
I enjoyed this book a lot.
この本はとってもおもしろかった。
これらの表現は、「飽きない」「楽しい」ものだ、という、ポジティブなニュアンスを表します。
面白い = おかしい
また、
「あのお笑い芸人は面白い」
「面白いジョークだね」
「面白いコメディ映画」
のような文脈の場合、fun も当てはまる場合もあるとは思いますが、面白い=「おかしい」という意味の方が、よりピッタリくるかと思います。
このような、「面白おかしい」「楽しくて笑ってしまう」ことを言いたい場合は、funny という単語を使います。
例文)
It’s funny!
おもしろい!
It’s a funny joke.
面白いジョークだね。
“I laughed so much! This is the funniest comedy I have ever seen!”
めっちゃ笑ったわ!これ、今まで見た中でサイコーに面白いお笑いだ!
(funniest = funny の最上級)
また、funny と同じ意味で、hilarious もよく使われます。Hilarious は、「おかしい」「愉快な」という意味で、funny をより強めた感じ(= very funny)です。発音とアクセントは、オンライン辞書や電子辞書でチェックしてくださいね!
例文)
It’s hilarious!
おもしろい!(=笑える)
I found a hilarious video on YouTube.
YouTubeで面白い動画を見つけたよ。(=笑える動画)
まとめ
日本語の会話の中で、なんとなく使っている「おもしろい」。ですが、英語で言う場合は、これまでに書いてきたように、おおまかに3つのパターンに分けて考える必要があります。
たとえば、
「どうだった?」
という会話の流れで、日本語だと、
「面白い映画だったよ。」
とサラッと言いがちですが、英語の場合、
“It was an interesting movie.”
といえば、例えばドキュメンタリーや社会問題を扱った映画など、知識や考察を与えてくれるような映画の場合にすんなり来る答えですよね。すごく考えさせられた、とか、新しい視点を得られた、このテーマについて興味を持った、勉強になった、などなど……のニュアンスが表せると思います。
また、
“It was a fun movie.”
といえば、色んな意味で「楽しめる映画だった」という感想になります。飽きることなく見られる映画だった、見ていて楽しい時間を過ごせた、などのニュアンスになります。
そして、
“It was a funny movie.”
と言った場合は、とにかく「笑えた」「面白おかしい」映画だった、というニュアンスになります。コメディー映画など、笑いや可笑しさをテーマにした作品の感想にピッタリです。
私自身も、やはり日本の学校の英語教育で、interesting =「おもしろい」と覚えていたので、それは知っていたのですが、オーストラリアに来てから、interesting の意味と使い方を知り、「逆に、もっとフツーに『おもしろい』と言いたい時は、どういえばいいんだろう……?」と、言おうとするたびに迷った時期がありました。
その後、fun や funny の使い方を知り、「おもしろい」のニュアンスを英語で表す場合には、分けて考えないといけないんだな、と理解しました。
とはいえ、それぞれの表現も微妙にかぶる部分もありますし、必ずしもハッキリと分けられない場合もあると思います。色んな会話の例を動画で見たり、幅広い英語の文章を読んでいくことで、感覚がつかめてくるのではないかと思いますね。
他にも、先の映画の会話例でいえば、
It was an exciting movie!
ワクワクする映画だった!(=楽しかった、に近いニュアンス)
It was a fantastic movie!
すばらしい映画だった!
It was a great movie to watch!
とてもよい映画だった!
のように、直接「面白い」を使わずに「楽しんだ、よい映画だった」というようなニュアンスを表す英語フレーズもあります。こうした表現を覚えていくと、英語の会話が楽しくなっていきますね!