英語圏に住んでいる人、仕事で必要なために英語を勉強中の人、外資系や海外への就職をめざしている人、とにかく英語が話せるようになりたい人……。みなさんそれぞれ、いろんな環境で英語を勉強していると思いますが、英語学習者にとって一つの壁が、「英語での電話の受け方、かけ方」ではないでしょうか?自分からかける時、人からかかってくる時……。どちらも緊張しますよね。
電話の場合、もともとの英語の難しさに加え、
「相手の表情、口の動きが見えない」
「誰からかかって来るかわからない」
「電波が弱かったり、電話機の雑音で聞き取りづらいことがある」
「周囲がうるさかったりして聞き取れないかも」
などなど、不安要素がいーーーっぱい(笑)。
また、
「電話がかかってきたら、何と言って出たらいいの?」
「電話をかける時、どうやって名前や用件を言ったらいいの?」
など、経験がないので電話での会話のしかたがわからない、という面もあります。
実は私自身、西オーストラリア・パースで細々と、就職活動のようなものを始めまして、電話をかけること、かかってくることがしばしばあります。が、やっぱりニガテでつらい思いをしています(涙)。
というわけで、ネットで「英語での電話対応のしかた」に関する動画や記事を、色々と見たり読んだりして、練習中です。
今回は、そんな私自身が学んできた、「英語での電話の話し方」のポイントをまとめたいと思います。
電話での英語の会話、この動画が超おすすめ!
まず、私自身が電話での英会話のしかたを学ぶ上で、とてもわかりやすくていいな、と思った動画があります。Oxford Online English の YouTube。
Talking on the Phone in English – English Phone Vocabulary Lesson
イギリス英語なので、他の地域では多少トーンの違いがあるかもしれませんが、基本的な流れは同じでしょうし、どんな相手でも十分通じるやりとりではないでしょうか。
電話で英語のやりとりをしたことがない、という人にとっては、イメージをつかむだけでも大変役立つ動画だと思います!
この動画は、2人の話者が電話での会話を実演し、その後ポイントを解説しています。会話は、以下の4パターンで構成されています。
- インフォーマルな会話
- フォーマルな会話
- 相手の話が聞こえない場合(インフォーマル)
- 相手がいないためメッセージを残す場合(フォーマル)
「インフォーマル」とは、友達や親しい人など、すでに知っている人とのやりとり、「フォーマル」とは、ビジネスなど社会的な場面でのやりとりで、多くの場合、知らない相手とのやりとりになります。
英語のやりとりでは、この「インフォーマル」「フォーマル」を使い分けることが、とっても大切なんですね。
12分弱という短い動画の中に、重要なポイントが無駄なく簡潔に収められていて、すごくわかりやすく、よい教材だと思います!
動画の中では、会話の「台本」も表示されるので、わからない単語なども調べながら、流れをつかむことができます。英語での、電話での会話がどう進行するのか、を学びたい人には、ぜひ見ていただきたいです。
以下、この動画から学んだことを中心に、特にビジネスの場面(フォーマル)で「英語で電話対応する」時に使える英語表現を解説していきます。
英語で電話を受ける時、かける時の言い方
◆仕事場での電話を取る場合
日本語でも、仕事場やビジネスの場での「電話の取り方」がありますが、英語にも、ある程度決まった言い方があります。会社にいて、特にお客様や外線からの電話を取る場合は、
Good afternoon. XXX collage. how can I help?
Good morning. This is XXX collage, Dorothy speaking. How can I help you?
動画にあったように、会社名を名乗ったり、または上の例文のように、担当者名(ファーストネーム)が入ることもあります。
個人名で出る場合は、
Good afternoon, Aya Saito.
Hello, this is Aya Saito.
のように、個人名をフルネームで言います。
個人のプライベートな電話ならば、“Hello, Aya speaking.” とか、“Hello, this is Aya.” と、ファーストネームを名乗ればOKです。
◆自分がかけた場合、名前、用件を伝える
自分が電話をかけた場合、次に相手に自分の名前、用件を伝えます。以下に、動画にあった会話から重要なポイントを引用します。
パターン1)動画の2番目の例
自分:Could I speak to Michael Hart, please?
相手:Who’s calling, please?
自分: My name is Oli Redman. I’m calling concerning* a proposal which Mr Hart sent to me.
「Michael Hartさんと話したいのですが」
「どちらさまでしょうか?」
「私は Oli Redman です。Hart さんが私に送った提案書についてお電話しました。」
*「~(名詞)についてお電話しました」と用件を言う時の表現としては、
- I’m calling concerning ~
- I would like to ask about ~
- I wanted to discuss ~ with <the person>
などの言い方があります。
パターン2)動画の4番目の例
自分:Hello, This is Kasia Warszynska. I’m calling for Pieter Okker. Is he available?
(こんにちは。Kasia Warszynskaです。Pieter Okker さんをお願いします。彼は今電話に出られますか?)
パターン1と2はどちらでもあり得ると思います。ちなみに、動画の中では、自己紹介をする時、
- My name is <full name> = 初めて電話をかける時
- This is <first name> = 互いに知っている時
を使う、と説明しています。
電話の受け方、かけた時の最初の挨拶のしかた、は、電話対応時に絶対必要な会話なので、英語での表現を覚えましょう!
相手の声が聞こえない、何を言っているのかわからない時
電話での会話で一番緊張するのが、「相手の言っていることがわからなかったらどうしよう……」ではないでしょうか?
特に慣れない英語で、ただでさえ聞き取るのが難しいのに、相手の顔が見えない電話だと、ますます難易度が高く感じます。
Oxfordの動画では、「電波が悪くて聞こえない」ケースを例にしていましたが、一方、私達英語学習者にとっては、「(リスニングに慣れてなくて)相手の英語が聞き取れない」というケースも頻繁にあります。
相手の話がうまく聞き取れなかった場合に使えそうなフレーズを、以下にまとめたいと思います。
◆何て言ったのですか?と聞き返す場合
相手の言ったことがわからず、もう一度言ってほしい時は、以下のように言います。
I’m sorry, could you repeat that?
Could you say that again, please?
すみません、もう一度言っていただけますか?
これはほぼ決まったフレーズなので、どちらか一つでも覚えておくと、いざという時に便利です。ビジネスの場面で通用するフレーズです。
ちなみに、インフォーマルな会話で、簡単に「え、何て言ったの?」と言いたい時は、動画にあったように、”Sorry, say that again?”, “What was that?”, “What did you say?” などがよくある言い方です。
◆もう少し大きな声で/ゆっくり話してほしい
「もう少し大きな声で話してほしい」と相手にお願いしたい時、Oxford Online English の動画では、
The sound is low. Would you mind speaking* a little more loudly?
と言っていましたね。
同じように、たとえば相手の英語が速すぎて聞き取れなかったため、「もう少しゆっくり話してほしい」と伝えたい時は、
Would you mind speaking* more slowly?
Could you speak more slowly?
すみませんが、もっとゆっくり話していただけますか?
などが使えます。
* Would you mind ~ing は、「~していただけますか?」と、相手に頼む時の丁寧な表現です。フォーマルな会話において、Could you …? の代わりに使うことができます。
例文)
I’m sorry, I didn’t understand that. Would you mind repeating it?
すみません、わかりませんでした。もう一度言っていただけますか?
I’m sorry, Could you say that again, please?
すみません、もう一度言っていただけますか?
ちなみに、私自身の感覚ですが、相手が言ったことがわからなかった場合、それが短いセンテンスならば、“Sorry?” や、 “Pardon?” と、一言で聞き返すだけでも十分です。相手はもう一度繰り返してくれます。一方、相手の言った長いセンテンスが複雑でわからなかった場合は、“I didn’t understand that, could you repeat it, please?” のように返すとよいかもしれません。
また、電話に限らず「相手の言ったことが聞き取れない時」の対処法としては、以下の過去記事も参考になると思います!
英語での電話で使える、ビジネスOKのフォーマル表現
電話で話す際に知っておくと便利な英語表現を、いくつかまとめました。いずれもフォーマルな表現なので、ビジネスでの電話に使えます。
Would it be alright for him to call you back in about 30 minutes?
彼に、約30分後に電話をかけ直させますが、それでよろしいですか?
※Would it be alright ? = Is it ok …? をより丁寧にした言い方
※call … back = 電話をかけ直す
I’m afraid he’s not available right now.
申し訳ありませんが、彼はただいま電話に出られません。
※I’m afraid … = 残念ながら…です。(否定的な内容を丁寧に伝える)
※not available = 手が空いていない。
Would you like to leave a message?
(目的の人が電話に出られなかった場合)メッセージを残しますか?
※leave a message = メッセージを残す
Could you tell her that …?
彼女に…と伝えていただけますか?
May I ask who’s calling please?
(電話をかけてきた相手に)どちらさまか、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?
Just a moment please. /Could you hold on a moment please?
少々お待ちください。(電話口で相手を待たせる時)
英語で就職活動、上手に電話対応する方法?
ところで、英語で電話対応をするのは、多くの英語学習者にとって難易度の高い課題ですよね。しかも、英語環境で、海外の企業や外資系の仕事に応募して、応募先の採用担当者から電話がかかってきたら……。
話の内容はともかく、英会話力、英語でのコミュニケーション能力も試されることになるのは、間違いありません。
そんな時、少しでも良い印象を残すような電話対応をするコツは?
……という点について、ためになるページをみつけました。
Tips for taking phone calls|OBP Australia
OBP Australia は、海外出身の人達がオーストラリアで就職するための支援を行っている会社だそうです。英語という「母国語でない言語」で就職活動をする難しさをふまえ、電話でよいパフォーマンスをするテクニックとして、こんなアドバイスをしていました。
もしも英語のコミュニケーションスキル、特に電話対応に自信がない場合、「電話がかかってきたら、あえて取らずに留守電メッセージを利用する」。
電話がかかってきたら、取らずに相手が留守電にメッセージを残すのを待ちます。そして電話が切れたら、ただちに録音を確認。もしも応募した会社からだった場合、すぐに必要な資料を手元に用意し、話すことを最大限準備し、10分以内に静かな場所からかけ直す、のがよいそうです!
このようなシチュエーションでは、電話をかけてくる採用担当者の方が、断然有利なのです。不意に電話がかかってきた場合、こちらはたいてい準備ができず、慌ててしまうし、コミュニケーションの舵取りをすることができません。このような方法で、自分自身を準備万端にするというのは、よい方法ですよね。ただし、きちんとした応答メッセージを吹き込んでおくことが必要。また、相手がメッセージを残してくれない可能性がある、というデメリットもあります。
また、留守電を使わず、電話に出る場合のポイントとしては、
- 自分のファーストネームをハッキリと名乗る。(例:“Hello, XXX speaking.”)
- 相手の名前と会社名を確認する。
- もしも騒がしい場所にいたら、「後でかけ直したいのですが、いいですか?」と聞く。(例:“Can I call you back in 5 minutes?”)
- 話す時は、ゆっくりと話す。相手が早口で話してくる場合、こちらがゆっくりめに話すと、相手もそれに合わせるようになってくる。
- 慌てず、相手の話をしっかり聞く。仕事の内容に対して質問をすることで、コミュニケーションが深まる。
ということです。
詳しくは、ぜひオリジナルのページ(英語)を読んでください。海外で、慣れない言語での仕事探しに壁を感じるのは、私達日本人だけではないのだ、とわかります。
まとめ
英語で話すだけでも大変なのに、さらに「電話での会話」となると、本当に難しいですね!私自身、とても苦手です。
しかし、これもやはり練習するしかありません。
とにかく「場馴れ」というか、電話での会話を回数こなす、というのもあるとは思いますが、「こういう時にはこういう言い方をする」という、正しい表現を覚えて、それを言いたい時にスムーズに言えるようにひたすら練習することが大切だ、と思いました。特にビジネスなどのフォーマルな場面での「電話での話し方」は、知っているのと知らないのとでは、相手に与える「社会人としての」印象が違ってくるのではないか、と思います。
また、個人的には、英語力に自信がないため、つい、おどおどしてしまいがちですが、たとえうまく聞き取れないことがあっても、躊躇なく堂々と、明るいトーンで(しかし礼儀正しく)「何て言ったのですか?」と聞き返した方が、印象としては悪くないのかな、と思う事があります。
私も、今回紹介した動画の会話や、記事でまとめたフレーズをしっかり覚えて、たくさん練習していきたいと思います!