会話の中で、あるいは文章の中で、
「もしかしたら~かもしれない」
「たぶん~だろう」
「きっと~だろう」
「おそらく~だろう」
などなど・・・
「確実にそうとは言えないけど、たぶんそうかもしれない。」といいたい時はよくあります。
「多分~だろう」「多分~かもしれない」を表す言葉として、多くの人が思い浮かべる英単語は、maybe でしょうか?
確かにそれは正しいですが、いつもいつも「メイビー、メイビー」だけでは、なんだか物足りない?
可能性や推量を表す英語表現は、maybe だけではありません。
「たぶん」「おそらく」「もしかしたら」を表すいろんな種類の言い方を知っておくと、英語での表現も広がります。
また、しっかりと理解しておけば、相手がこのような言い方をしてきた時も、どの程度の確信度合でそう言っているのか、ニュアンスがわかります。
今回は、そうした「推量」「可能性の度合い」を表す英語表現をまとめます。
maybe 以外にも?推量の副詞
maybe は、推量の意味を持つ副詞です。
Q:Is this Emily’s?
これ、エミリーの?
A:Yeah, maybe.
うん、たぶん。
みたいに使う人は多いと思います。
maybe のように、文に付けて「たぶん」「もしかしたら」というような意味で使える副詞は、以下のようなものがあります。
英単語 | 意味 |
---|---|
probably | 恐らくそうだろう・その可能性が高い
(something is very likely) |
maybe | もしかしたらそうかもしれない・その可能性があるかもしれない。
(I’m not certain that something is possible or is true) |
perhaps | そうかもしれないが、確かではない。
(something is possible or I’m not certain about it) |
possibly | そうかもしれないが、確かではない。
(something is not certain) |
この中でも、「probably は『多分そうだろう』という可能性が高い」、は確実だと言えます。
maybe, perhaps, possibly は、「可能性はないわけじゃないけど、わからない」、ととらえるとよいでしょう。これら3つの単語の境目はわりとあいまいなようで、確率については厳密な違いはないのかもしれません。文脈や、話す時ならセンテンスの中のイントネーション等で、ニュアンスを読み取ることが必要かも。
単語の使われ方の違いとしては、perhaps、possiblyは文頭・文中・文末どこでも使われますが、maybe は通常、文頭か文末のみに付きます。
このことについては、Cambridgeの以下のページが参考になります。
Maybe or perhaps? from English Grammar Today | Cambridge Dictionary
以下に、推量を表す副詞の例文を載せます。
◆probably
I’ll probably be home by midnight.
夜中までには家に帰ってるだろう(ほぼ確実に)。
※ I’ll = I will
He probably didn’t even notice.
彼はおそらく気づいてもいなかっただろう(ほぼ確実に)。
◆maybe
Maybe they’ll come tomorrow.
たぶん彼らは明日来るだろう(その可能性がある)。
Q:Can we go to the park after school?
A:Maybe – it depends whether I get all my work finished.
「放課後、私達公園に行ける?」「たぶんね・・・私の仕事が全部終わるかどうか次第ね。」
◆perhaps
He hasn’t written to me recently – perhaps he’s lost my address.
彼は最近手紙をくれないね・・・もしかしたら私の宛先を失くしたのかも。
I thought I saw someone hiding in the bushes – perhaps we should call the police.
誰かが草むらに隠れているのを見たような気がする・・・もしかしてポリスに知らせるべき?
I’d guess that she’s in her forties – 45 perhaps.
彼女は40代じゃないかなぁ・・・たぶん45くらい。
◆possibly
I might possibly get the job finished by tomorrow evening, if I have no more interruptions.
明日の夕方までには仕事を終わらせられるかも・・・。もしこれ以上割り込み作業がなければ。
I’d guess that she’s in her forties – 45 possibly?
彼女は40代じゃないかなぁ・・・もしかして45くらい?
推量の助動詞(will, should, could, may, might)
「たぶん~だろう」「おそらく~かもしれない」と表現する方法が、もう一つあります。
助動詞を使う方法です。
たとえば、
【普通の文(断定)】
It is true.
それは本当だ。
【かもしれない(推量・可能性)】
It might be true.
それは本当かもしれない。
主語と動詞の間にmight が入ると、「かもしれない」というニュアンスを加えることができます。
このように、推量や可能性を表す助動詞を、以下にまとめます。
英語の助動詞 | 意味 |
---|---|
will | 未来または現在について、何らかの判断材料を基に、ほぼ確かにそうなる(そうである)と推論している。
※現在についても使うことがあります。 |
should | 未来または現在について、そうなる(そうである)可能性が高いと判断している。 |
could | 未来または現在について、そうなる(そうである)可能性はある。(ただし確かではない) |
may | |
might |
以下に、推量を表す助動詞の例文を載せます。
◆will
She‘ll come to the party tomorrow.
彼女は明日のパーティに来るだろう。(何かを根拠に、ほぼ間違いなく来るだろうと判断している)
That will be Katie shouting.
あれはケイティの叫び声だろう。(ほぼ間違いなくそうだ、と考えている)
◆should
Shall we start? Luke’s delayed but he says he should be here in ten minutes.
では始めましょうか?ルークは遅れているけれど、10分以内にはきっと着くだろうと言っていますので。
Ask Miranda. She should know.
ミランダに聞いて。彼女はきっと知っているだろうから。
◆could, may, might,
The phone is ringing. It could be Tom.
電話が鳴っている。もしかしてトムかも。
Q:I can’t find my bag. Have you seen it?
A:No, but it could be in the car.
「カバンがみつからない。あなた見なかった?」「いいや、でももしかして、車の中にあるかもしれないよ。」
They may come by car.
(= Perhaps/Maybe they will come by car.)
彼らは車で来るかもしれない。
I might go.
(= perhaps I will go.)
たぶん行くと思います。
色んな説がありますが、could, might, may は、厳密には違うのでしょうが、可能性の割合という意味ではハッキリとしたラインはないみたいです。どれも「可能性はあるけど、それが確実かどうかはわからない」、という感じかと思います。
ネイティブの間でも、どちらの単語がより可能性の高さを示しているか?は、意見が色々あるようです。
これについて興味のある方は、Cambridgeのウェブサイトの以下の説明を読んでみるとよいです。
modality/could-may-and-might | Cambridge Dictionary
また、私が教わった限りだと、日常会話の中では、may はあまり使われないようです。could か might が一般的なようです。
副詞と助動詞を組み合わせて推量を表す
「たぶん・・・」という推量を表す英語表現として、『副詞』と『助動詞』の二つの方法を紹介しましたが、実はこれらはセットにして使われることも多いです。
これまでに挙げた例文にも、そのような使われ方を発見できると思います。下にも例を挙げておきます。
例文)
She‘ll probably come.
彼女はきっとくるだろう。
→ probably + will
Perhaps I will go.
たぶん行くだろう。
→ perhaps + will
Perhaps my dad might know him.
もしかしたら、私の父は彼のことを知っているかもしれない。
→ perhaps + might
You might possibly be able to climb these two rocks.
あなたは、もしかしたらこれらの2つの岩を登ることができるかもしれない。
→ possibly + might
「多分…と思う」と自分の意見を述べるテクニック
また、自分の意見を述べる時、「(確信はないけど)多分そうだと思う。」みたいなことを言う時は、“I suppose (that) … will/might …” というセンテンスがよく使われます。
I suppose (that) [ ~(文)]
で、「~だと思う。」「~だと考えられる。」というセンテンスを作ります。
I suppose (that) she will come.
(たぶん彼女は来ると思う)
I suppose (that) she might come.
(たぶん彼女は来るんじゃないかと思う)
※日本語訳はあくまで参考です。2つの文のニュアンスの違いについては、will と might の違いから理解してくださいね。
また、会話であれば、“I’m not sure but I think …” という言い方で、「確かではないけれど、こう思う」と表現することもできます。
“I’m not sure” は、「確かでない・わからない」という時によく使われる表現です。
I’m not sure but I think it’s true.
はっきりとわからないけど、私は本当だと思う。
まとめ
日常のコミュニケーションの中では、必ずしもはっきりと断定できることばかり伝えられるわけではありません。
「たぶん~だと思うけど・・・」「確実とはいえないけど~じゃないかな」と言ったニュアンスで言いたい時も、たくさんあります。
そんな時に、こうした表現のバリエーションを知っておくと、とても使えます。
ただ、英語を学んでいると、「 might と could はどっちの方が確かさの程度が強い?」とか、「 maybe と perhaps と possibly はどっちの方がより確実さが低い?」とか、気にしてしまいがち・・・そして、「どれを使ったらいいわけ~???難しいー!!」ってなってしまうんじゃないでしょうか。
ですが、日常の会話の中では、その使い分けが大きな影響を及ぼすことは、ほぼないと考えてよいでしょう。
そうした細かいところにこだわるよりは、まず『副詞』と『助動詞』の使い方(文法)をマスターし、自分が使いやすい表現を一つ覚えてしまうとよいと思います。
そしてそれを使ってみる。後は少しずつ、ネイティブの英語を聞いたり読んだりして、どんな使われ方をしているかを吸収していくといいのかな、と思っています。
また、この投稿中で紹介した、“I suppose … “ や、 “I’m not sure but I think …” のように、文法だけでなく、「(確かではないけど)多分こうだと思う」みたいな言い回しで、『推測や不確実さを含んだ意見』を伝えることもできます。
英語でこうしたニュアンスを伝えられると、より表現の幅が広がりますね。