日本語で何気なく使う、「どのくらい?」という言葉。色んな会話の中でよく使っていると思いますが、いざ英語で質問しようと思った時、何て言ってよいかわからない……、意外と困ってしまう表現の一つではないでしょうか?
たとえば、レストランに入ろうとして、「今は満席なので入れません。待ちますか?」と聞かれた時、
「入れるまで、どのくらいかかりますか?」
と、時間を聞いたり、メニューのお料理について、
「この料理はどのくらいの量ですか?」
と、食事のボリュームを聞いたり。
また、
「どのくらい勉強すれば、英語ができるようになるの?」
「ここから駅までどのくらい?」
「どのくらいの辛さが好き?」
……などなど。
「どのくらい」という言葉は、実にさまざまな物事の「程度」を一言で尋ねることができる、便利な言葉ですね!
この「どのくらい」に対応する英語って、あるのでしょうか?
基本的には、How + 形容詞 … ? を使いますが、この「形容詞」が、尋ねたい内容によって変わります。
一度ルールを知ってしまえば、何にでも適用できるのですが、ある程度色んな例を覚えて慣れることが必要です。私自身も、たくさんのケースに触れて慣れるまで、なかなか自信を持って使うことができませんでした。
そこで今回は、色んな場面での「どのくらい……?」の言い方を、例文と共に紹介したいと思います!
時間が「どのくらいかかる?」
よく使うのが、「~ はどのくらいかかる?」「~まで、どのくらいかかる?」など、時間を聞くことです。一番簡単な表現は、
How long does it take?
どのくらい(時間が)かかりますか?
です。
時間の長さについて、「~は xx 時間かかる」と言う時は、“It takes xx hours.” と言います。このように、“It takes …”は所要時間を言い表す時の決まった表現なので、覚えておくと便利です。
そして逆に、「時間がどのくらいかかるか?」を質問する時は、“How long does it take ?” が決まった形なので、覚えてしまうとよいです。
これを応用して、以下のように色々な時間について聞くことができます。
例文)
How long does it take by train from Perth to Fremantle?
パースからフリーマントルまで、電車でどのくらいかかりますか?
How long does it take to get there?
そこへ到着するまでどのくらいかかりますか?
How long will it take to get a table ?
(レストランで)席か空くまでどのくらい待ちますか?
How long will it take until I get the result?
結果が出るまでどのくらいかかりますか?
※until … → … は文(主語+動詞+その他)
ちなみに、“How long does ~?”と “How long will ~?” は、どんな時にどちらを使うべき?ということですが…。
最初からあまり厳密に気にする必要はないと思いますが、
“How long does it take … ?”
は、あらかじめ決まっているスケジュールなどについて。たとえば、電車や車の移動時間、映画の上映時間、などなど。「通常どのくらいかかる?」と聞いている感じです。
一方、
“How long will it take … ?”
は、ある特定のことについて、「どのくらいかかりそうか?」と、予想を聞いているようなニュアンスです。
「どのくらい」の期間?
たとえば日本で出会った海外の人に、「どのくらい日本語を勉強していますか?」「どのくらい日本に住んでいますか?」のように聞きたい時もあるでしょう。この時の「どのくらい」というのは、期間を表しています。
この場合、もっともシンプルな英語表現は、以下のようになるでしょう。
例文)
How long have you been learning Japanese?
どのくらい(の期間)日本語を勉強していますか?
How long have you lived in Japan?
どのくらい日本に住んでいますか?
How long are you staying in Japan?
どのくらい日本に滞在する予定ですか?
1番目の have you been ~ing は、「現在に渡って~し続けている」ことを表す現在完了進行形です。
また、2番目は、have you lived と現在完了形(現在完了形についてはこちらの記事を見てください)で、「現在まで住んでいる期間」を表す時には、一般的にこの形が使われます。
3番目は、are you ~ing で、これは「計画されている未来のこと・予定」を表す現在進行形です。
文法用語は覚えなくてもよいですが、以上の例文は、どれもとてもよく使われる英語表現なので、文の形と共に覚えておくとよいです。
また、どのくらい、というざっくりした言い方ではなく、「何年?」「何日?」と単位をハッキリさせて聞きたい場合は、
How many years have you lived in Japan?
何年間日本に住んでいますか?
How many days are you staying in Japan?
何日間日本に滞在する予定ですか?
のように言うこともできます。
食事の量が「どのくらい?」
意外と、何気ない英会話の場面で使うのが、「(メニューにある料理の)量はどのくらいですか?」とか、「どのくらい食べますか?」のような、食事や飲み物の「量がどのくらい」という質問ですね。
先に気をつけなければならない点として……。
「どのくらいたくさん…?」という意味の英単語として、How + much を思いつく人もいるでしょう。ですが、
How much is it ?
と言うと、文脈にもよりますが、”How much” = 値段がいくら?という意味に聞こえてしまうこともあります。
そのため、食事のボリュームを聞きたいならば、
How large/big is it?
それはどのくらいの大きさ・ボリュームですか?
How large/big is the pizza?
ピザはどのくらいの大きさですか?
のように言うとわかりやすいでしょう。
また、もっとはっきりと「その料理は何人前ですか?」と聞いた方が、より伝わりやすい場合もあります。その時は、
How many people does it feed?
その料理は何人前ですか?
※feed = その人数に十分な食事を提供する
How many people does the dish serve?
その料理は何人前ですか?
と言います。
あるいは、食事に含まれる物の個数が「どのくらい」と聞きたい場合は、How + many ~s(複数形)で、
How many prawns are in the dish?
その料理にエビは何尾入っていますか?
How many oysters per person?
オイスターは一人当たりいくつですか?
※ per person = 一人当たり(一人当たりの量を聞く時の決まった言い方)
のように言うことができます。
相手に食事を振る舞う時などで、英語で「どのくらい食べる/飲む?」と聞きたい時は、
How much would you like to eat/drink?
どのくらい食べますか/飲みますか?
と言うのがシンプルです。
値段が「どのくらい?」
上でも少し出てきましたが、値段や価格について「どのくらい?」と聞く時は、
How much is it?
値段はいくらですか?
How much does it cost?
いくらかかりますか?
※ cost = (お金が)かかる(動詞)
のように言います。
値段が「いくら?」と聞きたい時、”How much?” というのは多くの方が覚えていると思います。が、上の例のように、文(センテンス)にして言うと、より英語らしくなります。
その他、こんな「どのくらい?」も
他にも、買い物や海外旅行、日常のさまざまな場面でよく使う「どのくらい」として、以下のものがあります。
◆「どのくらい甘い?」「どのくらい辛い?」
味について「どのくらいの甘さ?」などと尋ねたい時は、
How sweet/spicy/sour is it?
どのくらい甘い/辛い/酸っぱいですか?
と、How + 形容詞 を使うことができます。
また、具体的な砂糖(または塩など)の量を聞きたい場合は、
How much sugar is in this drink?
この飲み物にはどのくらいの砂糖が入っていますか?
How much sugar does it contain?
どのくらいの砂糖が含まれていますか?
のように言います。
◆「どのくらい重い?」
物の重さが「どのくらい」かを尋ねる時は、
How heavy is it?
(それは)どのくらい重いですか?
How many kilograms(または kilos) is it?
(それは)何キロですか?
※kilograms は複数形
のように、ざっくり「どのくらいの重さ?」と聞くことも、また、具体的な単位で「何kg?」と聞くこともできます。
◆「どのくらい遠い?」
また、距離について「どのくらい遠い?」と聞きたい時は、
How far is it?
どのくらい遠いですか?
How far is it to the nearest station?
一番近くの駅まではどのくらいの距離ですか?
How many kilometers is it to the nearest beach?
一番近いビーチまでは何キロありますか?
のように言います。こちらも、「どのくらい遠い?」と聞くことも、「何km?」と単位を指定して尋ねることもできます。
まとめ
日本語の「どのくらい?」は、一言でさまざまな内容について質問できる、便利な言葉ですね~。英語の場合は、自分の聞きたいことや、状況に応じて、適切な “How … “ を使う必要があるので、注意が必要です。
今回は、私自身がオーストラリアに来た当初から、買い物や移動、食事など、日常生活の場面で何度も使ってきた(使わざるを得なかった)英語表現を中心に紹介しました。たぶん、間違った言い方もたくさんしてきたと思いますが(笑)。英語初心者の方、英会話に挑戦したいと思う方にとっては、どの例文も覚えておくと使えるはず!
英語で「どのくらい?」ということを質問するコツとして、たとえばレストランで、食事の量について “How large is it?” と尋ねたとしても、相手が上手く量を表現できなかったりする場合もあると思います。そんな時、コミュニケーションが上手く行ってなさそうな気がしたら、“How many people does it feed?” と言い換えてみたり、“How many grams is the steak? (そのステーキは何グラムですか?)” と重さで聞いてみるなど、切り口を変えて質問してみるのもよい方法です。
「どのくらい?」を尋ねる英語表現は、実は幅が広い!ということを、この投稿では紹介したいと思いました。