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中国人は日本人より英語が得意なの?海外で見たホントのこと。

国による英語の違い

私は40代でいきなりオーストラリアに来ることを決意し、いやがおうにも英語と向き合わざるを得なくなってから、「日本で学んできた英語とは何だったんだろう?」と考えることが多くなりました。

私の思い描いていたよりも、ずっとたくさんの移民や外国人(英語ネイティブじゃない人達)が、パースにはいました。

私が思い描いていた『英語』とはずいぶんかけ離れた、様々なレベルの英語が、話されていました。

もちろんその中には、中国人の人も多くいます。

同じ東アジアの国出身であり、見た目も文化もよく似ている私達なのに・・・

 

日本人の私達は、

 

「日本人は英語がニガテ」(;_;)

「日本人の英語はうまくない」(;_;)

「日本人の英語は世界の笑いものになっている」(;_;)

 

・・・などなどとつい思ってしまいます。

少なくとも、「日本人は英語ができる!」と思う日本人は、ほぼいないのでは?

英語環境に飛び込む、ということ自体に、恐怖心を感じてしまう人は、かなり多いのではないでしょうか。

一方、中国人の人達は、このオーストラリアの英語環境の中で、ガッツリとローカルコミュニティに食い込んでいます。

それは、彼らが英語が得意だからなのでしょうか?

彼らと私達日本人の違いは、何なのでしょうか?

今回は、私自身がパースに来て実際に見た「本当のコト」を書いてみたいと思います。

 

日本人の、「英語」と「中国人」に対する感情

ちょっと話は逸れますが・・・

最近、日本では「日本のここがスゴイ!」みたいなテレビ番組や本が売れている、と聞きますが、そうなんでしょうか?

先日は、アメリカ出身のタレント厚切りジェイソンが、

「ホントはそんなにすごくない日本の文化に対して、スゲーと感動しないといけない」

と、外国人タレントのツラいところをこぼしたら、ネットでもテレビでも大炎上(?)になったとか。

例として、「『日本には四季があるからスゴイ!』とよく日本人は言うが、アメリカにも四季はあるんだけど・・・」なんてことを言っていたと思います。

 

実際に、2013年の記事ですが、「日本が誇れることを教えてください」というアンケートの結果、

1位が「四季がある 56.6%」

という結果に。

 

・・・いや、四季はパースにもあります、よ(笑)。

確かに日本の四季は独特かもしれない。でも、世界のどこにもそれぞれの季節の巡りがあり、そのどれもが唯一無二で、独特です。
日本の四季は豊かで素晴らしいと思いますが、パースの四季もまた、人々の暮らしと密着しており、感慨をもたらします。私は、どちらの季節感も好きです。

自分の生まれ育った国の自然を愛する気持ちは、誰にでもあるものでしょう。

でも日本人がそれを「世界に対し誇った」として、他の国の人にとっては「ふーん」程度のものだったとしても、それに不満を示すのはお門違い・・・と私は思うのですが。

しかし、「アメリカにも四季はある」「パースにも四季はある」なぁーんて言うと、日本では不快に思う方が増えているのでしょうか?

不思議です。

 

そんな「日本スゴイ!」の雰囲気が高まっていくにつれ、相対的に「他の民族は劣っている」という空気感が醸成されていくとしたら、ちょっと恐ろしいことです。

特に、このところ、中国人や韓国人などに対する『ヘイト』問題が目につきます。

 

たとえば、大阪にある私立幼稚園が、園児に「中国人や韓国人は悪い人」というような考えを教えていたり、保護者に「韓国人と中国人は嫌い」と書いた手紙を送っていたことが、問題となっています。
(さらにその幼稚園を運営する『森友学園』が、安倍首相夫人が名誉校長を務め、しかも国有地が格安でこの学園に売られていたことから、今安倍首相が国会でこの事実を追求されています。「アッキード事件」なーんて名前がついているらしい 笑)

 

また、アパホテルが戦時中の南京大虐殺の歴史を否定する本(ホテルの元代表が執筆した)を客室に置いていましたが、中国人の利用者がその事実をネットに投稿、批判が相次ぐというニュースもありました。

また昨年は、大阪の市場ずしが、韓国人などの外国人観光客にだけ、意図的にわさびを大量に入れて出していた、ということもニュースになりました。

 

他にも、中国人・韓国人と聞くと、なんとなくあまり良いイメージを持たない人が多いみたいです。それはメディアのせいなんでしょうか?

 

決して強い差別意識ではないけれど、多くの日本人の心の中にはそういう意識が眠っているんだな・・・と感じることは、以前からありました。

ただ、最近はそんなふうに「なんとなく日本人の中に眠っていた意識」が、目に見えて噴出しているような気がします。

上に挙げたニュースのように・・・色んなレベルで。

まあ、そんなふうに日本国内では、「日本スゴイ!」という一方で、「中国人は・・・」「韓国人は・・・」と見下すような雰囲気が、どことなく増しているように感じます。

 

話が長くなりましたが・・・

そんな「日本スゴイ!」旋風がありながら、英語に関しては相変わらず、「なぜ日本人は英語が話せるようにならないのか?」「なぜ日本人は英語がヘタなのか?」みたいな「日本人の英語ダメダメ」論が根強いですよね。

 

『誇り高き優秀な民族・日本人』が、なぜ英語ではこんなにダメなのか?

『(自分よりも優秀でないはずの)中国人』が、なぜこんなに世界に進出しているのか?

「日本人は礼儀正しくて世界一」「中国人は世界の嫌われ者」というみなさん・・・どう思いますか?

 

オーストラリアのチャイニーズパワー

オーストラリアには、中国出身の移民が大変多いです。

たとえば、私の住むここパースでは、中国出身の移民は31万9000人2011年 国勢調査による)。

一方、パースに住む日本人は・・・約1万人、と言われています(GITS International 調べ)。

 

パースでは、チャイニーズニューイヤーになると、毎年大規模なイベントが行われ、ドラゴンダンスはローカル人も誰もが知っています。そして、

「オーストラリア・デイに打ちあがる花火よりも豪華なんじゃね?(←個人的な見解)」

というくらいの花火が打ちあがります。

さすが、すごいです。
チャイニーズコミュニティ。

 

至る所に、中国系のお店とかビジネスを目にします。

日本食のレストランなども、実は経営者は中国人、ということもよくあります。

パースで豆腐を作っているのも、餃子の皮を作っているのも、日本食材を売っているのも、アジア系の野菜を売っているのも・・・中国系のお店。

私には無縁の話ですが、中国の投資家がオーストラリアの不動産の値段を釣り上げている、というのはよく聞く話です。

 

このパースの地で、日本人ももちろんたくさんがんばっているけど、チャイニーズパワーのすごさは段違いですね~。

逆に私のような日本人は、彼らのおかげで日本食材が手軽に買える、ってわけ(笑)。

 

中国人の人達が、ここまでパースのコミュニティに根が張れるのは、なぜなんでしょうか?

 

英語を使いこなす中国人のおばさん達

私達日本人は、「海外で生きるとしたら何が必要?」と聞かれた時、おそらくほとんどの人が、「英語力」を一番に挙げるでしょう。

では、中国の人達はそんなに英語の習得に優れているの?
日本人の英語力は、本当に中国人に劣っているの?

 

パースに来たばかりの頃、本当に英語がしゃべれなくて、自分が情けなく感じました。

よく買い物に行く中国系の野菜マーケットでは、多くの女性スタッフが働いています。日本のおしゃれママとは程遠い、オシャレも化粧もしてない、日本ならばごくフツーの「オバサン」と揶揄されそうな雰囲気の、中国人の女性達。

でも彼女たちは、立派に英語を話し、ローカルのオージーにもきっちり対応しています。

こういうの、日本では「グローバルな職場」って言うんでしょうかね?(笑)

 

ただ、英語そのものは中国語なまりのある英語。
ネイティブのような模範的な英語発音ではありません。
中にはカタコトレベルの人もいます。
スタッフ同士は中国語でしゃべっていますし。

でも、そのお店は品ぞろえが豊富価格も安いので、地元のオージーも、他の様々な国の人達も、よくやってきます。
お客さんが欲しいものを提供しているからこそ、ここでビジネスをやっていけるのであり、英語はそのためのツール。なまりのある英語だからって、正しくないからって、誰も文句なんていわないのです。最終的に、顧客が欲しいものを提供できれば、OKなわけです。

 

私は思いました・・・

そうか、それでいいんだ。英語を話すということは。

この(見た目)ごくフツーのおばさん達が、これだけ英語をしゃべってるんだ。

私だって、絶対に英語ができるようになりたい!!
私にできないはずはない!!

 

「ネイティブ英語」という幻想を捨てられたこと。

私にとって、中国人女性達の姿は、「英語圏で英語を話す」ということの手本になりました。

ちなみに今の私は、「レジの価格、打ち間違ってない?」と英語で彼女達に突っ込めるくらいにはなりました~(笑)。

 

中国人の方が英語の習得が得意?有利?

ところで、「中国語の方が、日本語より英語に似ている」という意見もあります。
つまり、中国人の方が、日本人よりも英語の習得には有利、という見解です。

私は中国語がわからないので、そういう点も本当にあるのかもしれません。

が、ある語学の先生からの聞きかじりですが、中国語は「動詞に時制がない」と聞いたことがあります。
たとえば、「私は明日行く。」「私は昨日行く。」みたいに、動詞そのものは変わらず、時間を表す言葉を組み合わせることによって、過去・未来を表現する。

だから、中国人の人が英語を学ぶ時、動詞の時制を理解するのが、むずかしいんだそうです。

ひとくくりに「中国人の方が英語を学びやすい」とは言えない、と思います。
日本語よりも楽な部分もあるかもしれないけど、そうじゃない部分もあるのでは。

 

また、一言で「中国人」と言ったって、色んな状況の人がいます。中には、「10年以上パースに住んでいるけど、英語がうまくなくて・・・」という中国人の方にも会ったことがあります。

海外で、母国語とは違う言語でやっていくのは、日本人だろうと中国人だろうと、どこの国の人にとっても苦労の多いことだと思います。
でも人にはそれぞれ事情があり、さまざまな人生の選択を求めて海外で住むことを決意することもあります。私もそうですが。

「日本人は英語が苦手」「日本人の英語はヘン」なのではなく、誰にとっても外国語を学ぶことは難しいのだと思います。
でも、それを越えていかなければなりません。

 

中国の人だって、間違ってもヘタでも気にせずに英語をしゃべっているように見えるかもしれないけど、本当は心の中では「あーネイティブの英語わからない」「あーもっと英語がうまく話せたら・・・」と思っているのかもしれません。

海外で、言葉ができなくて悔しい思いをするのは、どの国の人も同じではないでしょうか・・・。

ただ、そう思いながらも何かを求めて、海外での生活を選んだ。
本当に求めるものがあれば、そのために必死で英語を話すようになっていく。

そういう面もあるのではないでしょうか。

 

まとめ

ある意味、日本人がいつまでも英語をしゃべれないでいられるのは、まだまだ「日本人は恵まれている」ことの証ではないでしょうか?

色んな問題がありながらも、日本は多くの人にとって居心地がよく、自分から汗かいて掴みに行かなくても、必要なものが与えられる国・・・日本は今もそういう豊かな国なのだと思います。そういう状況にあるうちは、英語を学ぶことは「必須のスキル」ではなく、どこか+α的なオプションなのかもしれません。

ハングリー精神といえばありきたりな言葉ですが、自分の国で本当に未来に希望が持てず、自分自身や家族のために人生を賭けて海外へ出る人も、世の中にはたくさんいるでしょう。そういう人にとって、英語を学ぶことはまさに希望であり、生きのびるためのもの。他人の評価なんて気にしていられない。ただ自分が進歩していくことだけが、将来をより良いものにしてくれるのです。

あなたにとって、「英語を学ぶ」とはどういうことですか?

 

日本人が英語がニガテなのは、決して中国人や他の国の人達と比べて英語を学ぶ能力が劣っているわけではない、(かといって特別優れているわけでもない)と私は思います。

日本人が英語を苦手だと思うのは、私達自身の中にある「完璧でなくちゃいけない」という思い込みのせいでは?それが常に「未熟な英語を話すこと」「間違った英語を使うこと」に対し、過剰な恐怖心を抱かせているように思います。

間違った英語でも、実はびっくりするほど通じちゃいます(笑)。

だから、「日本人のスゴイとこ探し」をして自信を保つより、英語を勉強しよう!!

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