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洋楽で英語の勉強は効果ある?ここに着目すれば効果大!

英語の勉強法

英語の勉強法として、「洋楽を聴きながら英語を学ぼう!」と考えたことはありますか?

日本でも洋楽は非常にポピュラーですし、有名な海外アーティストも、ツアーで日本によくやってきます。

文法中心の学校の授業は面白くないけど、歌なら楽しく英語を覚えられそう!しかも、スラング会話表現も覚えられそうだし。

 

私自身、音楽が好きですし、好きな海外アーティストのおかげで「英語ダイキライ~(><)」にはならずに済みました。

英語の歌から「英語を勉強する」ことは、おおいにおススメしたいですね!

 

ただ、洋楽から英語を学ぶ時、ちょっと気をつけなければならないことがあります。

洋楽はあくまで「歌」

歌詞はやはり歌詞であって、普段コミュニケーションの言葉として使われる英語とは、少し違いがあります。

 

文法や、標準的な英語を学ぶには、洋楽は適さない面もあるかもしれません。

でも、洋楽で英語を学ぶメリットもあります。

それは・・・発音英語の音感覚を学ぶこと。そのために洋楽の『歌』だからこそ効果が得られるポイントがあるのです。

では、英語の『歌』の特徴とは・・・?

このことを知っておくと、洋楽から英語を勉強する際に、より効果アップがねらえますよ~。

 

洋楽の歌詞のルール。rhyme(ライム)とは?

日本の歌と英語の歌。

最も大きく違うところといえば、英語の歌には rhyme(ライム)があること!です。

 

rhyme とは・・・

それぞれの言葉が、同じ響きで終わる時、それらの言葉は rhyme だ、と言われます。

たとえば、

 

right & might

rose & dose

deep & keep & sleep & sheep

moon & soon

cat & rat & hat

near & appear

 

これらの単語の組み合わせは、それぞれ発音した時に、同じ音で終わっていることがわかりますか?

これが、典型的な rhyme です。

聞こえ方が同じ音で終わっているならば、たとえばスペリングは違っていても、かまいません。

例) two & do,  would & hood   など。

 

日本語でも、「韻を踏む」等と言いますが、それと同じと言えるでしょう。

※ただ、英語と日本語では母音の構成も違いますので(詳しくは発音に関するこちらの過去記事に書きました)、やはり英語の rhyme と完全に同じとは言い難いかもしれませんが。

 

rhyme というのは、『英語の発音感覚』を知る上で、かなり重要な要素のようです。

英語圏のローカル学校では、幼稚園や低学年の子には、必ず rhyme を教えるみたいです。
「自分の知っている単語の中で rhyme を探そう!」というような遊びが、授業の中で取り入れられたりします。

これは、子ども達に「英語を学ぶ楽しさ」について興味を持たせると共に、英語がどんな音のリズムを持っているか?ということに気づかせ、発音の感覚を身につけさせるためにも大切だ、と聞いたことがあります。

 

また、英語の詩(poem)や歌の歌詞には、必ず rhyme が取り入れられます。

rhyme を使うことによって、言葉にリズムが生まれ、より味わいや楽しさが増します。また、覚えやすくもなります。rhymeは、子どもの絵本にもよく出てきます。

書かれた内容そのものの意味も、もちろん重要ですが、それに加えて、rhyme が生み出す言葉のリズムが、詩や歌全体をさらに躍動的で印象深いものにする働きがあるのです!

英語では、リズムやメロディと言葉の響きは、深くリンクしています。

 

一方、日本語のポップスなどには、そういう決まりはありません。中にはヒップホップなどでは、rhyme の考えを取り入れている歌もありますが。

ほとんどのシンガーソングライターは、自分の独自の感性で日本語をメロディにのせています。メロディーと、「詩としての歌詞」の内容は、リンクする部分はあるものの、別個のものとして鑑賞することも可能ではないでしょうか?

 

ですが、英語は『rhyme』というハッキリとしたルールがあります。

おそらく、みなさんが耳にしたことのあるすべての洋楽の歌は、必ず rhyme になっているはず。

rhyme という考え方を理解すると、洋楽を聞くのがグッと楽しくなります。

 

rhyme(ライム)の種類

先に、最も基本的な rhyme の例を挙げました。

が、実際に詩や歌詞などで使われる rhyme は、もう少し幅があります。
必ずしも終わりの音が同じでなくとも、rhyme とみなされることがあります。

例として・・・

 

◆同じ場所に同じ母音がある。

例)dank & bat、bowl & home など。

 

母音が違うが、同じ場所に同じ子音が使われている。

例)bellballrabbit & robber など。

 

◆同じ発音で終わっているが、アクセントが違う。

例)frog & dialog、mat & combat、wing & caring など。

 

◆言葉の頭の発音が同じ。

例)sea & seal、 ship & short など。

 

これらも、rhyme の一種です。

他にも色々あるようですが・・・(私はよく知りませんが)。

 

つまり、詩や歌の中で使われる rhyme は、単語の終わりの響きが完全に一致しているものだけでなく、かなり許容範囲は広いみたいですね。

ただ、何かしら共通の響きを持っている、と言えます。

 

rhyme(ライム)はどこで使われる?

rhyme は、歌や詩のどの部分に登場するのでしょうか?

もっとも多いのは、それぞれのフレーズの終わりが rhyme になっているパターン。

さらに、フレーズの終わりが、【A – B – A – B】 と交互のパターンや【A – B – B – A】のパターンなど(※Aが1つの rhyme、Bが別の rhyme)・・・

・・・のように、rhyme が登場するパターンは様々で、イレギュラーなものも多々あるようです。一見「どこが rhyme なの?」って(私達日本人からすると)思ってしまうようなものもあるでしょう。

 

・・・と書いても、よくわからないと思うので、実際の有名な洋楽3曲を例に、見ていきましょう!

 

Shape of You by Ed Sheeran

今、世界中で最も才能のあるミュージシャンと言われ、人気No.1を誇るイギリスのシンガーソングライター、Ed Sheeran(エド・シーラン)

彼のニューアルバム『÷(divide)』が3月3日に発売され、早くも爆発的な売り上げを記録しているようですが、その先行シングルとして発表されていた『Shape Of You』という曲を紹介します。

 


リンク: Ed Sheeran – Shape of You [Official Video]

 

バーで出会った相手と恋に落ちていく様子を歌った歌です。

相手に夢中になる心情を、淡々とした音楽にのせて詩的に表現した、超クールな曲ですが、rhyme がまたカッコいい!

これはBメロの一部ですが、

Girl, you know I want your love

Your love was handmade for somebody like me

Come on now, follow my lead

I may be crazy, don’t mind me

 

– Shape Of You  by Ed Sheeran –

フレーズの終わりに ‘me’, ‘lead’ /iː/ という母音で rhyme を作り、同じ響きを出しています。

2段目 ‘like me’ と、4段目 ‘mind me’ も共通の響きだし、4段目は、たたみかけるように ‘be crazy’‘mind me’と、言葉の終わりの響きが揃っています。

サビは、

I’m in love with the shape of you

We push and pull like a magnet do

Although my heart is falling too

I’m in love with your body

– Shape Of You  by Ed Sheeran –

このパートも、言うまでもなく、各フレーズの終わりが ‘you’, ‘do’, ‘too’ と rhyme になっています。

言葉の響きをうまく合わせることで、心地よいグルーヴを出していますよね~!

ちなみにこのビデオ、映像としてもとっても面白い!最後の展開があまりにも予想外(笑)。ぜひ最後まで楽しんでください☆

 

全部の歌詞はこちら(Google Play music) – Shape Of You  by Ed Sheeran

Hello by Adele

イギリスの超人気女性シンガー、Adele(アデル)の大ヒット曲『Hello』

別れてしまったあなたに謝りたくて、地球の裏側から何度も電話をかけているけど、あなたはいつも出ない・・・という、切ない心情を歌った歌です。


リンク: Adele – Hello

 

こちらもバッチリ、rhyme になっています。

たとえば、耳に残るサビの部分ですが、

Hello from the other side

I must have called a thousand times

To tell you I’m sorry for everything that I’ve done

But when I call you never seem to be home

 

– Hello  by Adele –

‘side’‘times’  (/aɪ/)が rhyme になっており、アデルのパワフルな声がよく響く母音です。

また、‘Hello from the other side’ と、‘must have called a thousand times’ も、なんとなく全体の母音を合わせているので、この、最も聞かせどころのサビのメロディーが、ますます印象に残るしかけになっていますね。

サビの繰り返しの2回目も、

Hello from the outside

At least I can say that I’ve tried

To tell you I’m sorry for breaking your heart

But it don’t matter it clearly doesn’t tear you apart anymore

– Hello  by Adele –

‘outside’ ‘tried’、 ‘your heart’‘you apart’ で、単語の終わりだけでなく、母音を合わせた rhyme になっています。

また、全体的にフレーズの響きをなんとなく合わせており、すごくナチュラルに聞こえますね。

アデルの歌も見事ですが、この歌詞も見事だな~と思います。

ちなみにこれは推測ですが、”But it don’t matter …”という部分がありますが、文法的に言うとdon’tではなくdoesn’tが正しいですよね?

ですが、doesn’t ではメロディにのらないので、don’t にしてるんでしょうね。洋楽の歌詞では、こういうことは珍しくありません。

 

全部の歌詞はこちら(Google Play music) – Hello by Adele

 

Let It Go  by Idina Menzel (FROZEN)

日本でも大ヒットした、ディズニー映画「アナと雪の女王」。オリジナルタイトルは『FROZEN』で、海外でももちろん大人気です。

その最も有名な歌は、日本では『ありのままで』という邦題がついていたようで、歌詞の内容も「自分らしくいたい。」みたいな、やや抽象的になっている気がします。

オリジナルは『Let It Go』というタイトルで、英語詞はもっと力強い感じです。

エルザは今まで、アナを傷つけないために、自分の持つ能力をずっと押さえつけていたわけです。それは苦しいことだったでしょう。

でも、もうがまんしたくない。町から遠く離れたこの場所なら、自分のパワーを存分にふるっても、誰も傷つけない。

もう力を押し殺す必要がない!

今まで自分の「能力」を、ずっと抑圧してきたエルザが、鬼気迫る勢いでそれを外へ放出するのです。それが、

 

Let it go.

 

let +(物・人)+ ~する(動詞) で、「(物・人)に~させる」という意味がありますが、ここではまさに「自分が押さえつけてた力を、あふれ出るがままに発散・発揮させる」という意味ではないでしょうか?

孤独と引き換えに、もう自分の能力を押しとどめたくない、というエルザの強い意志が込められた歌です。

英語版の歌は、こちらで視聴できます。


リンク: FROZEN – Let It Go Sing-along | Official Disney HD

 

この歌ももちろん、rhyme になっていますよ~!

たとえばサビは、

Let it go, let it go

Can’t hold it back anymore

Let it go, let it go

Turn away and slam the door

I don’t care

what they’re going to say

Let the storm rage on

The cold never bothered me anyway

 

– Let It Go  by FROZEN –

各フレーズの終わりが、‘go’, ‘anymore’, ‘door’ でまとめられており、「オー」という強い響きを繰り返しています。また、‘say’‘anyway’ も同じ音で終わっています。

力強さと迫力を醸し出すのに、rhyme が役立っていると感じますね。

他にも、rhyme によって深い印象を残しているところがいくつもありますので、音の響きに着目して英語版を聞いてみると、日本語版とはまた違った深みが感じられるのではないでしょうか。

(ちなみに私は、日本語版は聞いたことがありません)

全部の歌詞はこちら(Google Play music) – Let It Go by FROZEN

まとめ

洋楽から英語を学ぶことは、効果があると私は思います。

もっとも有効な点として、私が挙げるとすれば、このように「英語発音の響き」を身につけられること!

日本では、英語ネイティブの英語を聞く機会がない(だから発音の練習ができない)とよく言われますが、洋楽一つ取っても、身近なものから英語の音感覚を吸収することはできると思います!

マネしながら歌ってみれば、効果アップ!さらに良い発音の練習になるはず!

また、歌詞から単語や文法などを覚えることも可能です。

ただ注意点としては、洋楽の歌詞の場合は、rhyme が非常に重要なので、音の響きを優先し、文法に合わない表現や単語が使われたりすることもあり得ます。

日本の歌のように、歌詞の意味重視で英語詞を読もうとしてしまうと、意味がよくわからなくて「?」となってしまうこともあるかも。

歌詞に出て来る単語は調べつつ、音の響きを優先していることを理解しながら聞くと、洋楽がより楽しめますよ。

ぜひ、あなたの好きな曲で、rhyme を探してみてください!

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