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幼児期の英語教育は効果的?教材を買う前に考えるべきコト。

子どもの英語

いつもは、「話せる英語」を学びたい大人の人に向けて書いているこのブログですが、今回はちょっと視点を変えたテーマを取り上げたいと思います。

今、日本では英語教育が盛んですよね。特に幼児期の早いうちから、お子さんに英語を学ばせようと考える親御さんも多いと思います。

どんな教材がおすすめ?

幼児向けの英会話教室はどんなところがいいの?

と探している方もいるでしょう。

 

ところで、幼児期に英語を学ばせるメリットって、なんでしょうか?

そして、メリットばかりでしょうか?

高いお金を払うだけの価値があると思いますか?

私達家族は、4年前の4月に、西オーストラリア・パースにやってきました。その時、上の娘は11歳、下の息子は3歳でした。

それまでは、私は子ども達に特別に英語の勉強をさせたことはありませんでした。いきなり「英語環境」にやってきてから、子ども達が英語を学んでいく様子を、この4年近く、間近に見てきました。

その中で、日本で考えられている「子どもの英語教育」と、現実に「使える英語を学ぶ」ことには、隔たりがあるように感じました。

そうした私なりの実感から、

「就学前の子どもに英語を習わせることをどう考えたらよいのか?」

「高いお金を出して習わせる価値があるのか、家庭でできることはないのか?」

ということを書いてみたいと思います。

逆に言うと、幼児期を逃してしまった大人の英語学習者は、もう英語が上手くなれないのか?

という点についても、考えるきっかけになるかと思います。

 

そもそもなぜ、幼児期に英語?

恐らく、低年齢のうちに英語を学ばせたい、と考えるには、理由があると思います。

いったいどんな理由があるんでしょうね?

ネットで、ちょっとググってみました。

ある説によると、幼児期くらいまでは、発達の段階として、「言葉」を聞いただけで覚えていく、と言われます。つまり、大人の私達のように、「勉強する」必要がなく、環境から自然と吸収してしまう。

特に、「聞く」「発音する」といった能力については、こうした低年齢の時期に獲得しやすいもので、大人になると難しいそうです。そのため、この時期にネイティブの英語発音に触れておくことが、ネイティブ並みの英語を話す上で大切だ、ということらしいです。

中には、この4歳くらいまでの時期に、ネイティブの英語発音に慣れておかないと、大人になっていくら勉強しても、ネイティブ発音の周波数が聞き取れなくなる、という説までありました。

こうしたことを根拠に、幼児期から英語教育を始めることはメリットがある、という意見があります。

就学前の小さい子どもに英語を学ばせよう、という方は、このように考えているのだろうと思いました。

 

バイリンガルとは?

確かに、今の時代の流れで、「英語力」が必要であることはわかります。

私自身、半強制的に英語を話さざるを得ない環境にやってきて、「あーもっと英語ができればなー」と思ったし、逆にこのレベルでも「英語が話せるようになってよかった!」と思う事もあります。

 

英語が苦手な日本人の方にとっては、小さい時から海外で育って英語ペラペラ日本語もしゃべれる「バイリンガル」の人がうらやましいかもしれません。

「英語環境でネイティブの英語に触れて、家庭では母国語の日本語に触れて、自然とどっちもできるようになった。」

と思うかもしれません。

でも私が海外で子育てしてみて思うのは、それは幻想。

むしろそれは、幼児期だけに通用する話だといえます。

私が我が子二人の成長や、周りの人の話を見聞きして思うのは、おそらく小学校低学年くらいまでは、環境の中にある言葉をすんなりと覚えていけそうです。でもその後は、子どもの社会性がどんどん増していき、教育環境の中で「学習する」ということが、より大きな影響力を持ってきます。

学校教育の中で、中学・高校・大学・・・と勉強もレベルアップし、最終的には社会人として適切な言葉遣いが求められます。

そうしたレベルの英語が使えるようになるには、幼児期を過ぎてからの教育の中で、「自分で学習する」ことや、「どれだけ学習したか」という量、そして「学習に応じた環境の質」などが、より大きく左右する、と私は見ています。

 

「バイリンガル」と私達が言う時、それは「英語」も「日本語」も、社会の中で高いレベルのコミュニケーションを取るためにつかいこなせること、を想像していますよね。

そして、子どもが幼いうちから英語を学ばせようと考える方は、将来的に、その子が大人になった時、そういうレベルで英語が使えることを望んでいるのでしょう。

今、「英語ペラペラな子ども」にさせたいわけじゃないですよね?

 

 

確かに、幼児期にネイティブの発音感覚を得ることができれば、有利かもしれないけど、その後の長い成長の過程で、成長と共に「英語(外国語)」の学習をしっかり続けてこそ、それが有利に働くだろう、というのが私の考えです。

どちらにしても、外国語を学ぶことは、地道な学習の積み重ねが欠かせないのです。

 

私の息子は、純日本人としてパースにやってきましたが、今はローカル校に通い、ほぼ英語で暮らしています。もう母国語が英語で、日本語が第二外国語、という感じです。

同じように、国際結婚や、海外生活が長いご家庭の様子をうかがっても、子どもの日本語を維持するために、日本語補習校に通わせたり、家庭で勉強させたりしている方は多いです。

これは、日本で育つ場合と逆パターンですが、幼児期以降に「英語環境」で「日本語を伸ばす」ためには、やはり自主的な「日本語の勉強」が必要なのです。年齢が上がるほど、日本語をしっかり「勉強」した人だけが、「英語」も「日本語」も高度なレベルで使いこなせるようになる、ということです。

 

しかしまた、こうして2つ(またはそれ以上)の言語をこのレベルで学ばせるということは、子どもにとっては厳しいことでもあります。その子の個性や得意不得意にもよると思いますし、学校の勉強や、趣味など、他の大切なことはたくさんあります。

2カ国語の習得にどこまで力を入れるのがよいのか、は、答えのない難しいテーマだと思います。

 

幼児期に英語を学ぶメリットは?

これらの話を踏まえた時、もし幼児期に子どもに英語を学ばせるメリットがあるとすれば、やはり「英語の音に慣れる」ということだと思います。

たとえば、大人になって初めて泳ぎや自転車に乗ることをマスターするのは、子どもの時に比べたらとても難しいですよね。
やはり、子どもの発達に合わせて、柔軟なうちに感覚を覚えさせるというのは、良いことだと思います。

 

また、幼いうちから、世界には日本語以外の言葉があり、国があり、さまざまな人種の人がいる、ということを感覚的に知ることは、私はよいことだと思います。

日本では、外国の人とコミュニケーションする機会が多くありませんが、「英語」というものを通して、身の回りの社会とは違った世界に触れることができるかもしれません。

 

幼児期に英語を学ぶデメリットは?

しかしながら、低年齢の子どもに英語を学ばせようと考える時、「子どもを英語ペラペラにさせよう」と期待をかけ過ぎることは、私は勧めません。

いずれ成長し、より広い社会の中で生きていくためのツールとして、将来的に「英語」を身につけさせてあげたいと思うなら、最終的には子ども自身が長い時間をかけて、継続的な「学習」をしていく必要があります。幼児期の英語教育は、将来的な子どもの英語力を保証するものではない、と知っておく必要があります。

 

また、逆に幼児期にあまり英語に触れられなかったとしても、ダメということはありません。
大人になってから英語を一生懸命学んで、英語で活躍している日本人もいます。

「ネイティブのような英語発音」ができなくても、コミュニケーションツールとして立派に通用する英語を使い、世界で生きていくことは、十分可能です。

英語は、ネイティブレベルを目指す必要なし!それはなぜかを知ってほしい。
「ネイティブのように英語が話せない」から、自分は英語ができないと思っている?英語は英語ネイティブだけのものではありません。世界共通語としての「英語」を身につけて、将来の選択肢を広げたいと思っている方へ、読んでほしい記事です。

 

 

私自身は、子どもが小さい時だからこそ、大人があれこれと教材を与え、興味を持たせるように仕向けるのではなく、子ども自身が面白いと思ったことにとことん集中させてあげたい、という考えです。

子どもは、身の回りの「当たり前のこと」に、さまざまな不思議や喜びを発見する天才です。小さい子にとっては、毎日「生きている」こと自体が、発見であり冒険であり、学びの連続です。子どもの好奇心を刺激する物は、本当に身近にあふれているはず。

大人が「与え過ぎる」ことで、子どもが自ら発見し、学んでいくチャンスを奪うことになっていないでしょうか?

英語を学ばせたい、と思うあまり、幼児期の子に多くを課してしまい、子どもの「自発的な好奇心」や「日々の生活に楽しさや喜びを見出す力」を奪うことにならないよう、注意が必要だと感じます。

生きることが楽しいと思える感性の土台作りこそ、この幼児期のうちに大切にしてあげたらいいんじゃないか、と私は思っています。

小さい子は、何気ないあたりまえの物に面白さを見出す天才。

 

また、「英語を学ぶ」ことも、子どもによって多少なりとも「得意・不得意」はあります。
その点も、親は心に留めておく必要があると思います。

 

まとめ

これらをふまえた上で、幼児期のうちに「英語に触れさせたい」と考えるなら、生活の中に自然と英語を取り入れるのがよいんじゃないか、と思います。

わざわざ高い教材を買う必要はありません。

もっとも簡単な方法は、英語の音楽を聞いたり、英語の動画を見たりすること。

過去記事では、私がオーストラリア生活で発見した、YouTubeで聞ける幼児向けの英語の歌を紹介しています。

大人も楽しめる!幼児向けの英語の歌、おすすめYouTube。
お子さんと一緒に楽しめる「英語の歌」をお探しの方!楽しく英語に親しみたいけど、洋楽はちょっとハードル高い、という大人の方!クールでステキな海外の子ども向けの歌を聞いてみませんか?ネットで無料で楽しめる、おススメの動画を紹介しています。

こちらは、幼児にもおすすめの、英語の月と曜日を楽しく覚えられるYouTubeの歌。

英語で曜日と月の覚え方は?歌と動画で楽しく学べるYouTubeの紹介。
英語で『曜日』と『月』。スペルは学校で覚えたけれど、ちゃんとした英語での発音がわからない!という人も多いのでは?英語圏の子ども達が、曜日や月の名前を覚えるために見る、英語の歌のYouTube動画を紹介します。

また、必ずしも子ども向けの素材じゃなくても、いいと思います。

親自身が楽しんで聞いたり見たりすることが大切では?

英語の絵本なども、面白そうなものを図書館で探して、読み聞かせてもいいですよね。親にとっても勉強になるし。

 

ポイントは、子どもに興味を持たせようとするのではなく、親自身が楽しみながら身近に取り入れていく、ということではないでしょうか?

小さい子は、何でも親の真似をしたがる時期があります。
自分の大好きなママやパパが、楽しそうに英語の歌を歌っていたら、きっとちびっこもマネするでしょう!

たとえ子どもが興味を示さなくても、家庭の中に英語のフレーズが流れていたら、耳が馴染んでいると思います。「幼児期に英語の音に慣れさせる」ことを目的とするなら、こういうことから初めてみてはいかがでしょうか?

子育てには色んな考え方があると思うので、これはあくまで、私自身の経験をふまえた考え方ですが・・・。

その上で、英語に興味を持ったお子さんには、英会話教室に通わせてあげるなどはアリだと思います。

むしろ、子どもの年齢が上がってからの方が、英語教育に高いお金をかける意味が出てくるかもしれません。

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