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海外移住したいなら、一度は受けたい英語力テストの種類は?IELTSについて。

海外で仕事・移住

英語力を測るテストには、色んな種類があります。

日本国内では、英検やTOEICが有名なところでしょうか。

英語のスキルアップを目指す理由は、人それぞれだと思います。

日本国内で、就職する時や英語力を示すことが必要な時などは、TOEICの得点を要求されることが多いようですね。そのために、TOEICで高得点を取るために英語の勉強をしている人もいるでしょう。

一方、英語圏への留学・就職・海外移住に必要な英語力テストといえば、IELTS(アイエルツ)です!

私の住むオーストラリアもそうですが、ニュージーランド・カナダ・イギリスなどの英語圏の国では、先に挙げた理由で入国する人たちに対し、IELTSで決められた点数以上を取っていることを証明するよう、義務づけています。

日本ではIELTSはあまり知られていないテストですよね。

実は私も、元々英語のスキルに無関心だったこともありますが、「オーストラリアに行こう!」と思って調べ始めるまで、IELTSという試験の存在すら知りませんでした。

とはいえ、日本国内でもIELTSの受験者は、年々増えているようです。

今回は、IELTSってどんなテストなのか?を軽く説明したいと思います。

 

IELTSには2種類のテスト(モジュール)がある

まず、IELTSには、General(ジェネラル)とAcademic(アカデミック) という2種類の試験があります。

Academicは、英語圏の大学や大学院などへ留学する人を対象とした試験です。

一方のGeneralは、それ以外の、仕事や移住でやってくる人を対象とした試験です。

オーストラリアでは、最終的に仕事を得るための職業訓練校(TAFE)や語学学校への留学に関しては、Generalでの受験になります。

※詳しくは、ビザを取得する際の要件をビザエージェント等に確認してください。

そのため、試験の一部で、AcademicとGeneralの内容が異なります。具体例は、この後書きます。

一般的に、Generalの方が易しいというか、より日常的な場面に即した内容が出題されます。
Academicの方は、高いレベルの学問の場において、専門的な講義を受けたり、ディスカッションをしたり、という場面を想定した出題があります。

自分の目的に合った方を受験する必要があります。

IELTSには4つの試験がある

IELTSでは、Writing(記述)・Reading(読解)・Listening(聞き取り)・Speaking(口述・会話)の4分野の試験があります。

すべてを受験する必要があります。

Writing・Reading・Listeningの筆記試験は1日で行われます。Speakingのみ、別日程・別会場で行われる場合もあるし、筆記試験と同じ日に行われることもあります。

Writing・Reading・Listeningの各試験の間は、休憩がありません。

以下に、各テストのおおまかな内容を書いておきます。

Writing(ライティング)

Writingの試験時間は60分

時間内に、2つの課題をやります。

【タスク1】

与えられた課題に対し、約20分間で150ワード 以上の英文を書きます。

GeneralとAcademicの場合で、設問内容が異なります。

Generalの場合は、与えられたシチュエーションに対し、レターを書く、という課題です。
たとえば、私が受けた試験では、(正確には覚えていませんが)

『あなたは海外のある学校に留学する予定で、申し込みを行った。しかし学校からまだ返信が来ていない。そこで学校にレターを書きなさい。レターには、

  • 留学を申し込んだ目的
  • 自分が今どういう状況にあるのかの説明
  • 学校に求めること(どうしてほしいのか)

を含めなさい。』

というようなものでした。

手紙を書く相手は、役所・学校の事務・企業など、公的なものの場合もあるし、海外に住む友達・お世話になった人・隣人 など、私的な場合もあります。

それぞれの状況によって、フォーマルな表現・親しい間柄に適した(インフォーマルな)表現、を使い分け、指定された条件を含めながら、細かいシチュエーションを自分で創作して書きます。

Academicの場合は、レターではなく、ある事柄とそれを示す表や図が提示され、それについて150ワード以上で適切に説明することが求められます。

 

【タスク2】

与えられたテーマに対し、自分の意見を述べるエッセイを書きます。

約40分で、250ワード以上を書きます。

設問は、たとえばGeneralでは、

『広告は消費者が物を選ぶ際にとても有効だ、という意見もある一方、広告によって消費者は間違った選択をしてしまっている、という意見もある。あなたは広告が消費者にとって有益なものだと思うか?その理由も述べよ。』

というような内容です。

問題提起-段落1-段落2-結論 といった構成を立て、実例を示しながら、自分の意見を述べます。

Academicの試験では、数字なども挙げられながら、より学問の場に近い議論がテーマとなります。

 

 

Reading(リーディング)

Readingの試験時間は60分

GeneralとAcademicで内容が異なります。

GeneralのReadingは、3つのセクションに分かれ、「広告や求人を読むなど、日常生活の中で必要な読解」「仕事に関する文の読解」「一般的なテーマに関する長文読解」からなっています。

3つめが一番複雑で長い文章です。

Academicの場合は、さらに学術的・専門的な読解が必要となる内容です。

Listening(リスニング)

Listeningの試験は30分、最後に自分のメモを答案用紙にうつす時間が10分あり、合計40分です。

GeneralもAcademicも同じ内容です。

テストには大きく4つのセクションがあり、

  • 生活の場面での会話(旅行客が電話でツアーを申し込む、など)
  • 生活の場面でのスピーチ(スポーツクラブのインストラクションなど)
  • 大学の授業などでの会話(生徒と先生のディスカッションなど)
  • 専門的なテーマに関する講義(ジェンダーの問題、など)

となっています。基本的には試験の後半ほど難しくなっていきます。

リスニングの音声は一度だけ流れます。

Speaking(スピーキング)

Speakingのテストは約15分前後。

試験者と1対1で行われ、テストは3つのパートに分かれています。

パート1:

一般的な質問に応える。(「あなたはどこ出身ですか?」「趣味はなんですか?」「物を集めるのは好きですか?」など)

パート2:

紙に書かれたテーマが見せられ、1分間考える時間があり、その後1~2分スピーチをする。(例:あなたの持ち物で最も大切なものについて話してください。それをどこで手に入れましたか?どのくらいの期間所有していますか?何のためのものですか?を含めて説明してください。)

パート3:

パート2のテーマを元に、より抽象的な内容についてインタビューを受ける。(「物を持つほど人は幸せになれると思いますか? それはなぜですか?」など)

会話は録音され、後日採点者によってチェックされるそうです。

特にパート2は、とにかく止まらずに2分間英語でしゃべり続けなければなりません。

IELTSの採点(スコア)の見方

IELTSの結果は、約2週間後に発表されます。

インターネットでも結果をチェックできるそうですが、成績証明書として使用できる正式な書類が、郵送されてきます。

IELTSの結果は、1.0~9.0のバンドスコアで示されます。

各スコアがどの程度の英語力に対応するのか?については、外部リンク:バンドスコアの解釈について(日本英語検定協会)をご覧ください。

オーストラリアでは、TAFE(職業訓練校)に入学する場合は全分野で5.5以上大学に入学する場合は6.5以上、あたりが目安となるそうです。

ただし、受講する科目によって異なる可能性があります。

また、IELTSの結果の有効期限は3年間です。たとえば、ビザ申請のためにIELTSの結果を提出しようと思った場合、その結果が3年以上前のテストのものだったら、改めて受けなおさなければなりません。

頭に入れておくとよいかもしれませんね。

 

まとめ

IELTSの試験の中で、特に日本人はスピーキングの点数が低くなるのが特徴だそうです。確かに私も・・・あはは。

IELTSのスピーキングテストでは、言われたことにYes・Noで答えるだけでなく、付加情報を追加して、自分の意見や立場をより明確にする必要があります。
多少盛ってでも(笑)、とにかく自分の考えを話す!
日本では、控えめに話すのが美徳とされているけれど、それでは評価が下がってしまいます。

自分自身、IELTSの勉強をしてみて思ったことですが……IELTSは実践的な英語のテスト、とよく言われますが、なるほどなーと思いました。

IELTSの問題を見ていると、世界で広く通用する英語とは?より社会的な場面でナチュラルなコミュニケーションを取るために、どんな英語を使うことが求められているのか?がよくわかります。

場面に応じた言葉の使い分け、単調でない豊かな表現力、会話を円滑に進ませる会話力、順を追って理路整然と自分の意見を述べる構成力……。などなど。

それは必ずしも、「ペラペラととにかく早口でスラングをしゃべる」ってことじゃないんですよね~。

海外で通用する英語がどんなものか、知りたいと思う方は、一度IELTSを受けてみるのもいいかもしれません。少なくとも、海外移住をなんとなく考えている方は、力試しで受けてみることを強くおすすめします。

受験料は、現在の時点で(日本で受験した場合)25,380円だそうです。

ちょっと高い!と思われるかもしれませんが、一回でもリアルなテストを受けてみると、自分に何が足りなくて、何を強化していくべきかがよくわかります。

漫然と英語のレッスンを受け続けるよりも、結果的に効率がよいと、私自身は思います。

 

IELTSではどんな問題が出るのか?もっと知りたい方は、以下のリンクが参考になります。

IELTS日本版ウェブサイト(試験概要、日程など)

IELTS公式 Sample Test Questions(サンプル問題集、英語サイト)

BRITISH COUNCILの日本版IELTS無料オンライントレーニング

 

手前味噌ですみませんが・・・私(Chieko)のIELTS1ヶ月漬け受験対策と受けた感想は、別ブログの過去記事に書きました。よろしければご一読を。

IELTSと共に冬は去り、パースの春はすぐそこ。|パースで手作りざんまい

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